「チームのベクトルがそろわない」と嘆く管理職に共通する勘違い 優れたリーダーほど「視線のベクトル」を重視する

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管理職の方に、「あなたのチームの役割は何ですか?」と聞くと、ほとんどの方が業務分掌に書かれているような、「○○の営業を担当する」「○○の研究を担当する」「○○のシステム開発を担当する」と回答されます。

しかし、これがベクトルをそろえることができない上司の大きな勘違いです。これをチームの役割として部下に伝えても、「わかっていますよ」「何をいまさら」だからです。

「何をしているのか?」ではなく「なぜしているのか?」

「視線のベクトル」をそろえるためにメンバーと共有すべきことは、「私たちは、何をしているのか」ではありません。共有すべきことは、「私たちは、なぜこの仕事をしているのか」です。すなわち、チームが存在する目的、あるいはチームの存在意義です。

たとえば、製造設備保守チームの場合、「私たちの役割は、設備の定期点検と必要な修理です」と伝えても、メンバーの反応は「はいはい、わかっています」です。「何をしているか」を伝えているからです。

メンバーに本当に伝えるべきことは、次のような「なぜ、この仕事をしているのか」という仕事の目的です。「私たちの役割は、設備のトラブルを未然に防ぎ、生産が1秒たりとも止まらないようにすることです。つまり、私たちは工場全体の安定した生産を支える重要な存在なのです」。

「工場全体の安定した生産を支える」――これこそがチームの提供価値であり、メンバーに伝えるべきことです。この点をチームでしっかりと共有することで、仕事に対するメンバーの意識がそろい始めます。

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