「チームのベクトルがそろわない」と嘆く管理職に共通する勘違い 優れたリーダーほど「視線のベクトル」を重視する

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チームの視線のベクトルの先にあるものは、顧客や会社に対するチームの価値提供です。そのことを踏まえて、管理職は、会社の事業戦略や経営課題に対して、「私たちに何ができるか」と常にメンバーに問いかけることが大切です。

リーダーシップが「チーム価値」を向上させる

たとえば、会社のホームページの更新(企業ニュースや決算情報など)を担当している総務課のX課長に、「DX化を推進できる専門性の高い人材の確保」といった経営課題が伝わってきたとします。Xさんが凡庸な管理職であれば、「人材の取り合いになっているので人事も大変だな」とスルーしてしまうでしょう。

しかしXさんが優れた管理職であれば、「私たちに何ができるのか?」とメンバーに問いかけます。もし、「的確な情報をタイミングよく発信する」というチームの価値が共有できていれば、専門性の高い人材を引きつけるようなアピールをホームページ上で行う、というアイデアが出てくるかもしれません。

このような管理職の働きかけ――リーダーシップ――が、会社に対する、より一層のチームの貢献につながっていくのです。

中間管理職の皆さんの多くは、プレーイングマネジャーとして実務とマネジメントの両立に苦心されていることでしょう。しかし、その立場は経営情報を入手できるとともに、現場の詳細な情報も入手して理解することができるものです。

だからこそ、経営も実務もわかっている人として、視線のベクトルをそろえ、チームの一体感や協力意識を高め、チームの価値を最大限に提供できる管理職でありえるのです。

櫻田 毅 アークス&コーチング代表

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さくらだ・たけし / Takeshi Sakurada

アークス&コーチング代表。九州大学大学院工学研究科修了後、三井造船で深海調査船の開発に従事。日興證券(当時)での投資開発課長、投資技術研究室長などを経て、米系資産運用会社ラッセル・インベストメントで資産運用コンサルティング部長。その後、執行役COO(最高執行責任者)として米国人CEO(最高経営責任者)と共に経営に携わる。2010年に独立後、研修や講演などを通じて年間約1500人のビジネスパーソンの成長支援に関わる。著著に『管理職1年目の教科書』『新 管理職1年目の教科書』(東洋経済新報社)がある。

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