「ドラえもんを一番うまく使えるのは誰か」AI時代に「のび太くんになろう」という主張に欠けている決定的な視点

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ドラえもんという最高のパートナーがいても、のび太は何度も同じような失敗を繰り返します。

子供のころにドラえもんをみていた人であれば、「もし出木杉くんがドラえもんといたら、世界は変わっていたんじゃないか」と思ったこともあるでしょう。

また、ドラえもんの妹であるドラミちゃんが出てくると、その賢さと的確な判断力から、あっという間に問題を解決してしまいます。

同じひみつ道具を使っても、得られる結果は使う人によって大きく異なるということです。

こうしてみると、「のび太じゃなければ、もっと良い結果になっただろう」というケースは多々あるわけです。

現実の問題となると、のび太くんを笑えない

これがアニメの話なら笑って終わりですが、現実のAI時代のビジネスの話となるとシリアスです。

現代のひみつ道具、すなわちAIを使っているのに、のび太は仕事で失敗して怒られてばかり。出木杉くんのような人材がAIを的確に使って成果を出して出世する。そんな状況になるのは想像にかたくありません。

実際、AI時代に起きているのはこういう現象です。同じAIツールを使っているのに、成果を出す人と出さない人の差が広がっている。AIを使えば誰でも同じ結果が出るわけではなく、むしろ使う人の能力によって成果の差が拡大しているのです。

もちろん、のび太の良さは良さとして認められるべきです。優しさ、粘り強さ、仲間を大切にする心。これらは素晴らしい資質です。

しかし、大きな仕事、重要な仕事は、成果を出して周囲の信頼を勝ち取った人に回ってきます。いくら頑張って主体的に動いても、成果が出なければ認めてもらえないのが現実のビジネスの世界です。

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