正体は喜多川歌麿? 葛飾北斎? 大河「べらぼう」でも注目、10カ月で引退した「謎の絵師」写楽は何者なのか?

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歌舞伎役者の似顔絵を描いていたが、役者の実像をリアルに描こうとするあまりに、不都合な様を描いたために、長くは活躍できず、1、2年でやめてしまった――。

その斬新さがゆえに意外と早くに飽きられてしまったのだろうか。もしくは、歌舞伎界から反発が上がったのかもしれない。いずれにしても、蔦重ならば、その状況さえも逆手にとって、写楽にさらなる挑戦をさせそうなだけに不可解である。

写楽の登場が蔦重と歌麿の関係性を変えた?

ちなみに、写楽が登場する頃に、歌麿は蔦重と距離を置くようになった。蔦重のもとであれだけ美人絵を盛んに描いていたのに、他の版元からの依頼を精力的にこなすようになる。

蔦重が写楽に入れ込んだために歌麿が離れたのか、それとも、歌麿が離れたので蔦重は写楽を見出したのか……。

NHK大河ドラマ「べらぼう」は最終回まであと数回となったが、写楽はまだ登場していない(2025年10月28日現在)。その正体とともに、歌麿と蔦重の関係性の変化にどう影響を及ぼしたのかも、注目されている。

【参考文献】
鈴木俊幸『蔦屋重三郎』 (平凡社新書)
鈴木俊幸監修『蔦屋重三郎 時代を変えた江戸の本屋』(平凡社)
倉本初夫『探訪・蔦屋重三郎 天明文化をリードした出版人』(れんが書房新社)
山村竜也監修・文「蔦重の復活と晩年 その後の耕書堂」(『歴史人』ABCアーク 2025年2月号)

真山 知幸 著述家

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まやま ともゆき / Tomoyuki Mayama

1979年、兵庫県生まれ。2002年、同志社大学法学部法律学科卒業。上京後、業界誌出版社の編集長を経て、2020年独立。偉人や歴史、名言などをテーマに執筆活動を行う。『ざんねんな偉人伝』シリーズ、『偉人名言迷言事典』など著作40冊以上。名古屋外国語大学現代国際学特殊講義(現・グローバルキャリア講義)、宮崎大学公開講座などでの講師活動やメディア出演も行う。最新刊は『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』( ディスカヴァー・トゥエンティワン ) 、『ひょんな偉人ランキング ―たまげた日本史』(さくら舎)。「東洋経済オンラインアワード」で、2021年にニューウェーブ賞、2024年にロングランヒット賞受賞。
X: https://twitter.com/mayama3
公式ブログ: https://note.com/mayama3/

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