部下の「これ、AIが作ったんです」は思考停止のサイン。一発で見抜いて、叩き直す「最高の質問」

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実は、部下がAIに丸投げする問題はAI活用スキル以前の、もっと根本的なマネジメントの問題を浮き彫りにしています。

・従来の指導法では通用しない

「とりあえず頑張って」「気をつけて」といった曖昧な指導では、AI時代の部下は育ちません。具体的に「どこに人間としての価値を付加すべきか」を教える必要があります。

・成果物の評価軸が複雑化

単純に「良い・悪い」ではなく、「AIの部分」と「人間が付加した価値の部分」を分けて評価する必要があります。成果につながる要素を分解して、メンバーに伝えなければなりません。

・責任の所在が曖昧化

「AIが間違えた」と言い訳する部下に対して、どこまでが人間の責任なのかを明確にする必要があります。これを理解してもらうには、粘り強く「仕事の価値」を伝え続けなければなりません。

「AI使いこなし人材」を育てる3つのステップ

ステップ1:目的設定を徹底させる

部下に仕事を依頼する際は、必ず「何のために」「誰のために」「どんな成果を期待するか」を明確に伝えましょう。AIに丸投げできない「目的設定」の重要性を理解させるのです。

ステップ2:修正プロセスを可視化させる

部下には「AIの初期アウトプット → 自分の修正内容 → 最終成果物」のプロセスを記録させるのも一つの手段です。どこに人間としての価値を付加したかが明確になります。

ステップ3:失敗を恐れない文化を作る

「AIが間違えることもある」「人間のレビューが不完全なこともある」という前提で、失敗から学ぶ文化を醸成しましょう。責任を恐れて思考停止するより、積極的に判断し、間違えたら改善する姿勢を評価するのです。

AI時代において、マネージャーの役割は大きく変わります。

従来のように「作業の管理」ではなく、「人間としての価値付加の指導」が中心になるのです。

部下が「AIが作ったので」と言った瞬間、それは思考停止のサインです。そのタイミングを逃さず、適切な質問を投げかけて、部下を「AI使いこなし人材」に育てていきましょう。

「君が手を加えた一番のポイントはどこ?」

この一言が、あなたの部下のキャリアを、そしてあなたのチームの生産性を大きく変える可能性があるのです。

三浦 慶介 株式会社グロースドライバー代表取締役社長

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みうら けいすけ / Keisuke Miura

1983年生まれ。一橋大学法学部卒業。サイバーエージェント、リヴァンプ、グロース上場企業スパイダープラスのCMOを経て2025年に独立。ゲーム・小売・飲食・教育・建設Techなど幅広い業界で事業成長を牽引。会員数150万を超えるヒットゲームの開発、数百万人が利用するCRMアプリの企画・開発、年間数十億円を運用するマーケティングチームの内製化、1年で生産性を160%改善する営業改革など、業種・業界を問わない事業成果を実現。現在は「AI時代の人材育成×事業戦略」を専門に、事業成長の伴走支援と知見の体系化に取り組む。著書に『AI時代に仕事と呼べるもの』(東洋経済新報社)がある。

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