実は国によっても定義はさまざま…日本における「クッキー」と「ビスケット」の【微妙すぎる違い】
日本には、西暦1850年頃、ペリー来航のあたりに南蛮菓子「ビスカウト」として上陸しました。カステラや金平糖とともにやってきたのですね! ペリーご本人が、日本人にふるまわれたというエピソードも残っています。
横浜にある「馬車道十番館」では、ガス灯の模様があしらわれたオシャレな「ビスカウト」が味わえます。オンラインでも販売していますが、開港の歴史に思いを馳せて、雰囲気ある建物を訪れて楽しむのもいいですね。
一方で「クッキー」は、ケーキや焼き菓子を意味するオランダ語の「koek(クーク)」が語源で、小さいケーキを「koekje(クーキェ)」といい、アメリカに渡ったオランダ人がクーキェを作って売り出したら人気を博し、その後に英語名になり「cookie」として定着しました。アメリカ以外の英語圏では「ビスケット」が一般的に使用されます。
「日本最古のクッキー」は京都生まれ
日本で最も古いクッキーとされるのが、京都にある老舗菓子店「水田玉雲堂」の銘菓「唐板(からいた)」。1477年(文明9年)創業以来、500年以上にわたり、ただ1つこのお菓子のみを作り続けてきた伝統の逸品です。
「唐板」の起源は平安時代までさかのぼります。863年(貞観5年)、疫病が流行した際に、これを鎮めるための神事が行われました。その際に神前に供えられた煎餅が「唐板煎餅」と呼ばれたことが、名称の由来とされています。
使用される材料は、小麦粉・上白糖・卵・少しの塩と非常にシンプル。これらを混ぜ合わせて練り上げた生地を薄くのばし、短冊状にカット。銅板で丁寧に焼き上げられます。
外観は淡い狐色で、パリッと軽やかにほどけるような食感が特徴です。口に入れると、ほのかに香ばしい風味が広がり、素朴ながらも奥深い味わいに虜になる人も多いです。
50年以上にわたり焼き続けていた先代が急逝し、一時は製造を中断。しかし、後を継いだ千栄子夫人が一念発起し、伝統の味を守るべく製造を再開しました。


















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