東京・新宿区の歌舞伎町にある、こじんまりとしたバー。2人の客が、女性バーテンダーと談笑しながらグラスを傾けている。和やかで楽しげな雰囲気だが、次の瞬間「キャー!」「うおっ!」と悲鳴が上がった。
丸々と太ったネズミが、天井からカウンターに落ちてきたのだ。店内がパニックになるなか、闖入者は忍者のような素早さでどこかへ消えていった。
新宿区は「約1229万円」をかけて対策
実は客の1人は筆者であり、実際に体験した出来事である。ネズミがいてもおかしくない、古いビル内のお店だったが、このような形で現れるとは、心底驚いたものだった。
新型コロナウイルスが収束し、街に賑わいが戻り始めた2023年11月。歌舞伎町にネズミが増えているという苦情や相談が相次ぎ、新宿区は約1229万円の補正予算を組んで対策に踏み切った。
それから約2年が経ち、歌舞伎町のネズミの現状はどうなっているのか、取材した。
まず話を聞いたのは、ネズミ対策を始めた新宿区役所ごみ減量リサイクル課まち美化係の担当者。歌舞伎町にネズミが増えたと思われる理由は、大きく2つあると説明する。


















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