居酒屋の店主は、食材を扱っているため、ネズミ対策は念入りに行っているのだそう。あるとき、店内に設置した粘着シートにネズミがかかっていた。その後の驚きの行動を、次のように明かす。
「ネズミがかかった粘着シートを二つ折りにして、踏みつけて駆除しました。するとネズミが声をあげて、それを仲間が聞いて来なくなる、と聞いたことがあるので。いや、もちろん、そんなことしたくないですが(苦笑)」
壮絶である。対話ができない相手との、ある種の戦争のようだと感じてしまった。
約30分の散策で、見かけたネズミは6~7匹
実際に夜の歌舞伎町を歩いてみた。足を踏み入れて5秒後、ネズミを見かけた。ビルの隙間から現れ、隣のビルの隙間へ消えていった。コソコソする様子はなく、我が家にいるかのように堂々としている。
人通りが多いエリアでは、さすがに姿はなかったが、裏路地のゴミ捨て場ではまた見かけた。3匹ほどがゴミ袋に群がっており、宴会でもしているかのような様相だった。
蓋つきのゴミ捨て場は、確かにネズミが入れない仕様になっている。が、蓋のないゴミ捨て場や、ゴミ袋を店頭や裏口にそのまま置いている建物も目立った。保健所の担当者が言うとおり、適切なゴミ出しや管理の必要性を強く感じた。
約30分の散策で、見かけたネズミは6~7匹。対策を始めてから減ったのか、増えたのか筆者には判断できないが、「まだいる」という当たり前の事実は再認識した。
害獣や害虫駆除を行う株式会社ミナトの専務取締役・大庭将彦さんにも話を聞いた。そもそも、歌舞伎町にはどんなネズミがいるのか。
繁華街にいるネズミは、主に「クマネズミ」「ドブネズミ」の2種類。特徴として、クマネズミは壁をのぼって移動ができる。ドブネズミは横の移動しかできないが、そのぶん大きく、子猫ほどのサイズの個体もいるのだそう。


















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