「人生後半の充実度は"腎臓"で決まる」→身体にとって「万能薬」となる簡単な習慣とは

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だが実際のところ、食事制限をがんばりすぎて食べる量を減らしてしまうことがいちばん危険なのだという。とくに70代以上の高齢者の場合、食事量の低下は病気や衰えを進ませる原因になるそうだ。

食事量が減ってたんぱく質などの栄養素が足りなくなってくると、わたしたちの体は自らの筋肉を分解して不足分を補おうとします。すると、筋肉量がてきめんに減ってしまい、運動機能が低下して短期間のうちにサルコペニアやフレイルが進んでしまうことが多いのです。(30ページより)

サルコペニアとは筋肉量と筋肉が低下した状態で、フレイルとは心身が衰えた状態。どちらも加齢に関係しているが、いずれにしても食事制限がそうした状態をもたらすのだとしたら健全だとはいえない。

また、腎機能をいっそう悪化させることになる可能性もあるようで、そういう意味でも全体の食事量は減らすべきではないのだ。

1日3食「ちゃんと食べる」ことを徹底するべきです。とくに、たんぱく質は体内でキープしておくことができないので、朝・昼・晩と毎食摂る必要があります。(30ページより)

いうまでもなく、食事は人間の活動のエネルギー源。したがってそこを細らせてしまうと、腎臓や筋肉だけでなく、心身の活力までもがダウンすることになる。そのため、「食べる量は絶対に減らさない」ことを肝に銘じたうえで日々の食生活を送ってほしいと著者は強調している。

「古い常識」を「新常識」へ

ここでご紹介したのは数ある「新常識」のうちのほんの一部に過ぎないが、それでも意外に感じられたことは多いはずだ。そこで、「古い常識と新常識は違う」ということを念頭に踏まえたうえで本書を読み進め、さらなる知識を身につけたいところである。

運動を通じて腎機能の改善を目指す「腎臓リハビリ」、しっかり食べることで体をよみがえらせる「腎臓回復食」、腎機能を維持しながら長生きするためのコツ、さらには腎臓リハビリによって人生を復活させた人々の声など、腎臓についてのノウハウがさまざまな角度から解説されているので、きっと役に立つはずだ。

またそれ以前に、「こんな生活を続けていたら、腎臓が悪くなってしまうのでは?」というような漠然とした悩みを解消できるため、精神の安定も得られるに違いない。

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー・ジャパン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「文春オンライン」などで連載を持つほか、「Pen」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『先延ばしをなくす朝の習慣』(秀和システム)など著作多数。最新刊は『抗う練習』(フォレスト出版)。

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