どんなに努力しても防ぐのは困難…16分に1回は「心ここにあらず」の状態になってしまう"脳の宿命"

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なぜこのようなことが起きるかというと、「脳の疲労」が関係しています。

作業を始めると「アドレナリン」が上昇してやる気になりますが、しばらく作業を続けていると脳が疲労してきます。すると、脳がフラフラとさまよい始めて、関係ないことを考えてしまいます(=マインドワンダリング)。

これを防ぐために、「ノルアドレナリン」という物質が上昇して集中を保とうとします。しかし、ノルアドレナリンが上昇して集中を保とうとしているときに邪魔が入ると(声をかけられたりするなど)、ストレスによって「コルチゾール」というホルモンが急上昇します。

大切なのは「限られた記憶容量」を能動的に使うこと

『仕事が速い人があたりまえにやっていること 努力に頼らず「すぐやる人」になる40の仕事のコツ』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

このコルチゾールがくせもので、記憶を司る「海馬」の活動を弱め、記憶力を低下させてしまいます。

そのため、作業に戻ったときに「あれ? どこまでやったんだっけ?」となるのです。

一方、自ら意識的に15分以内に区切る場合は、そもそもノルアドレナリンが上昇する前に作業をいったん終えることができるため、コルチゾールは上昇しません。記憶力も低下しないので、すんなり作業を再開できる、というわけです。

ちなみに、「いまなんの仕事をしているのか忘れてしまう」という悩みを相談に来られた方がいたのですが、その方は、受動的に作業を区切られてしまい、もとの作業に戻ったときに忘れてしまっていることが原因でした。

そこで自ら作業を区切り、限られた記憶容量を能動的に使っていくことを勧めた結果、悩みはすぐに解消されました。

菅原 洋平 作業療法士

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すがわら ようへい / Sugawara Yohei

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、作業療法士免許取得。民間病院精神科勤務後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。その後、ユークロニア株式会社を設立。現在、ベスリクリニック(東京都千代田区)で外来を担当する傍ら、企業研修を全国で行なう

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