「1日100人以上を診療」疲弊困憊した医師を救った"呼吸法"――浅い呼吸がもたらす血流障害と自律神経の乱れを改善
この呼吸法を、身体全体に酸素を行き渡らせるイメージで5~10回繰り返すと、身体が温まり、心が落ち着いてくるのを感じられるでしょう。
朝や夜のリラックスタイムに取り入れるのがおすすめです。
深く息を吸い、ゆっくりと吐くとき──その間に何か“見えない力”と私たちが響き合っているように感じられる瞬間があります。ぜひ試してみてください。
お釈迦様が修行で実践した呼吸法
丹田呼吸法のルーツは、約2500年以上前にさかのぼります。元々はお釈迦(しゃか)様が修行のなかで実践した呼吸法だそうで、それが東洋の哲学や医学、インドのヨガなどにも大きな影響を与えました。
日本では、平安時代に空海が中国に留学した際に、密教と共に丹田呼吸法の知識を持ち帰ったと伝えられています。そして江戸時代以降は、武士や僧侶の間でこの呼吸法が精神統一や体力強化に役立つとされ、広く実践されました。
中村天風は、今から100年以上前には不治の病だった結核に罹り、アメリカやヨーロッパに渡って治療を試みたものの改善しませんでした。ところが、ヒマラヤの奥地で丹田呼吸法を取り入れた修行を行なったところ、結核は治ったそうです。
天風は丹田呼吸法を「万病を治すだけではなく心身を統一する、心を制する」と評しています。
近代に入ると、丹田呼吸法は健康法やストレス解消法として注目されるようになりました。今日、丹田呼吸法はヨガやマインドフルネス、ストレス管理の分野で広く実践されています。
医学的にも、深い呼吸が副交感神経を刺激し、血圧や心拍数を下げ、ストレスホルモンの分泌を抑える効果が広く認められています。たとえば、慢性的なストレスや睡眠障害を抱える方に対し、丹田呼吸法はリラックス効果や自律神経のバランス改善に役立つとされています。
また、呼吸器系や循環器系の健康を支え、免疫力の向上や冷え症の改善にも効果があると報告されています。
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