「1日100人以上を診療」疲弊困憊した医師を救った"呼吸法"――浅い呼吸がもたらす血流障害と自律神経の乱れを改善

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心も身体も疲れ切っているとろくなことがありません。

25年前に開業したとき、私は1日に100人以上の患者さんを診ていました。診察が終わるのは夜の11時を過ぎることもあり、心身ともに大変過酷な状況で、毎日ヘトヘトでした。

このままではいけないと考えて、いろんな本を読み漁ったのですが、そこで出会ったのが中村天風さんの『成功の実現』(日本経営合理化協会出版局)という本です。

中村天風さんはMLBの大谷翔平さんが尊敬しているということで知られている、日本にヨガを普及させた人物です。その本に書いてある「丹田呼吸法」に目がとまりました。

いわく、人間には「気」の通り道があるが、へその下3寸のところに「丹田」という気が溜まる場所がある。そこに気を溜めて呼吸すると、精神が強くなるというのです。

現代人はストレスが多い環境で生きていますが、ストレスが強いと呼吸が浅くなります。呼吸が浅くなると、当然身体に取り入れられる酸素の量も減ってきます。酸素の量が減ると細胞が活性化しなくなり、血流障害を引き起こしたりもします。自律神経の乱れも起こってきます。

丹田呼吸法を取り入れてから、私は疲れ知らずで働けるようになりました。この呼吸法は、ストレスで浅くなりがちな呼吸を整え、酸素を身体全体に行き渡らせることで血流を良くし、新陳代謝を高めます。

さらに自律神経のバランスを整え、心身の不調を改善する効果もあります。

丹田呼吸法はとても簡単

以下の手順で、ぜひ試してみてください。1日数分から始めて、慣れてきたら毎日続けてみましょう。

1.姿勢を整える:背筋を伸ばし、肩の力を抜きます
2.百会(ひゃくえ)を意識する:百会とは頭のてっぺんにある少し凹(へこ)んだ部分です。ここに意識を向け、百会から身体に空気を入れるようなイメージを持ちます

3.深く息を吸う:鼻からゆっくり大きく息を吸い込み、吸った空気をお臍の下の「丹田」に集めます。5秒ほどかけて行ないます

4.ゆっくり吐く:口からゆっくりと息を吐き出します。これは10秒ほどかけて行ないます

5.肛門を締めてから緩める:吐き出した後、肛門を軽くキュッと締めてから、ゆったり緩めます
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