【1050CVのフラッグシップスーパースポーツ】フェラーリの最新作「849テスタロッサ」がBEVではなく、PHEVとしてエンジンを残した意図

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オープントップの849テスタロッサ スパイダー
オープントップの849テスタロッサ スパイダー(写真:フェラーリ・ジャパン)

ランボルギーニ「テメラリオ」のV8エンジンは最高回転数が1万rpm超えだったのを思い出した。エンジンの出力競争はずっと続いていくのだろうか。

フェラーリは、849テスタロッサを発表した段階で、BEV(バッテリー駆動EV)モデルの発表準備段階にあった。そのとき、「私たちは10月にエレクトリックモデルの発表を予定しています」とスペソット氏はうなずく。

続けて「今ここでは、それ以上のことは言えません。言えるのは、BEVはフェラーリファンを失望させない出来だということです」とつけ加えた。

すぐにBEVへモデルレンジが切り替わっていくことはない、とスペソット氏は言い、849テスタロッサにおけるバッテリーの重量と操縦性の関係を例にあげる。

プラグインハイブリッドである意味

849テスタロッサのスタイリング
849テスタロッサのスタイリング(写真:フェラーリ・ジャパン)


「駆動用バッテリーがフル充電の状態ならバッテリーだけで25km走ります。それ以上となるとバッテリーの大型化が避けられず、エンジンを含めて(SF90ストラダーレから)軽量化を図り、高い操縦性を追求している849テスタロッサの在り方と矛盾しかねません」。

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エンジニアとデザイナーが徹底的に協議して作り上げたという空力的ボディデザインでは、ダウンフォースとパワートレインの冷却が重要な課題だった。「FIVE(Ferrari Integrated Vehicle Estimator)」なる電子制御技術をフルに使ったシャシーの統合制御システムや、高性能化したブレーキなど、特徴が多い。

さらに、軽量化と高性能化を推し進め、サーキットでの走行性能に特化した「アセットフィオラノ」モデルも設定されている。これもまた、849テスタロッサにかけるフェラーリの本気ぶりの証明といえる。

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Ferrari 849 Testarossa
全長×全幅×全高:4718mm×2304mm×1225mm
車重:1570kg
ホイールベース:2650mm
パワートレイン:3990ccV型8気筒+電気モーター(プラグインハイブリッド)
駆動用バッテリー容量:7.45kWh
エンジン最高出力:610kW
電気モーター出力:1634kW
エンジン最大トルク:842Nm
変速機:8段デュアルクラッチ変速機
駆動方式:全輪駆動(前輪はモーター駆動)
最高速:330kph
0-100kph加速:2.3秒
乗車定員:2名
価格:未公表
小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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