「子どもを叱らない時代」は大きな勘違い…教育のプロが「日本の学校はゆるすぎる」と断じる理由とは

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白井氏、窪田氏
子どもと大人の信頼関係、どう築く?(白井氏<右>の写真は撮影:初沢 亜利、窪田氏の写真は本人提供)
「近視になってもメガネをかければいい」と思っている人は少なくないが、実は近視は将来的に失明につながる眼疾患の発症リスクを高める、危険な疾患なのである。しかし、身近に眼疾患の経験者がいなければ、その実感が湧かない人がほとんどではないだろうか。
近視は病気です』の著者であり、近視の予防を呼びかける眼科医である窪田良氏の対談企画。お招きしたのは、子どもの不登校支援や多様な学びの提供に取り組む白井智子さん。これまで四半世紀にわたって注力してきたフリースクールなどの活動について語ってもらった。この第4回では、子どもとの向き合い方に加え、日本の学校や社会全体に感じることについて深掘りする。

「注意してはいけない」ではない、大切なのは信頼関係

窪田:これだけ社会が大きく変わっているのに、教育のあり方がなかなか変わらないのは不思議な気もします。

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白井:過去のテレビドラマなどでは、教師が子どもに暴力を振るって更生させるのが美談のように描かれていました。「昔の教育のほうがよかった」などと言う人たちもいますよね。

ここでありがちな勘違いが、「子どもを注意してはいけない時代になった」というものです。でも、これは大きな間違いです。

確かに今はもう、「先生だから叱っていい」「大人だから正しい」という押し付けが通用する時代ではありません。でもそれは、子どもに何も言うなということではありません。権力をかさにきた指導は効果が薄いので、まずは子どもとの信頼関係を築こうということなんです。

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