健康になりたい人は「〇〇を摂れば健康になれる」「△△を摂るのは危険」という記事から距離を置いたほうよい理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

だが、やはり極端な食べ方は避けるべきかもしれない。たとえば筋トレをしている人のなかには、1食に10個もの卵を食べたりする人もいるかもしれない。しかし健康を考えた場合、おそらくそれはやりすぎだと著者はいう。

かといって、私の「1食に3個」が適量であるかもわからないわけで、なかなか難しいところ。

というより、加工食品を減らしてブロッコリーなど野菜を十分に摂り、卵・豆・鶏肉などからたんぱく質を摂るなど、バランスのよい食事を目指すべきであるともいえるだろう。

ベジファーストに科学的根拠はあるか

まず野菜を食べ、その後に炭水化物などを食べることで、食後の血糖値上昇を防ぐ――そんな「ベジファースト」は大きな話題を呼んだ食事法。実践している方も少なくないだろうが、もし食べる順序を変えただけで健康効果があるのなら、そんなにすごい話はないと著者。

たしかに食べ方が「順序の問題にすぎない」のであれば、数十年かけて「なにを食べるべきか」を研究している世界中の研究者は否定されることになってしまう。

私の知る限り、ベジファーストの効果は「日本でのみ」検証されています。これらの数篇の論文を読んでみると、食後血糖の上昇を抑える効果は一貫して認められています。ベジファーストを念頭に置いた食事指導により血糖の数値であるHbA1cが1%程度下がったという報告もあります。(75ページより)

しかし、食後血糖値が下がるという点については、それがどれほどのインパクトを持つものなのかはまだ不明。悪いことではないにせよ、たとえばそれが糖尿病発症予防や心血管病予防につながるほどの効果を持つのかはまだ検証されていないのだという。

一方で、「食べるもの」を変えることで生活習慣病はかなり予防できることは証明されています。このように考えると、まだ「食べる順番」は「食べるもの」と比較されるような位置には到達していないと言えます。食べる順番を変えることの効果が、食後血糖値だけでなく大きな疾患の予防のレベルにまで及ぶのか、今後の検証が必要です。(76ページより)
次ページ日本で「食べる順序」が話題になる背景
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事