健康になりたい人は「〇〇を摂れば健康になれる」「△△を摂るのは危険」という記事から距離を置いたほうよい理由

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特筆すべきは「がんばり」に頼っている限り、本質的な食習慣改善はできないという指摘だ。具体的には、以下のステップを経ることが本質的な食習慣改善につながるという。

ステップ1 「〇〇(食材や栄養素)が健康に良い/悪い」という考えを捨てる
ステップ2 自分の今の食習慣を知り、目標とする食習慣を定める
ステップ3 具体的に、最も効率的に食習慣を改善させる戦略を立てる

(「はじめに めんどくさがりな予防医療研究者が勧める、最も効率的な食事術」より)

これらを正しい手順で行うことで、食事から最大限のメリットを得ることができるというのだ。お金も時間もかける必要がないそうなので、その点も魅力かもしれない。

個人的には、まずステップ1に興味を抱いた。巷にあふれる健康情報を、うっかり信じてしまいそうになることもないとは言えないからだ。そこで、このステップに焦点を当ててみたい。

ナッツを食べると太るか

ナッツが健康食品だといわれるのは、健康によいとされる(シス)不飽和脂肪酸を多く含んでいるから。この点について著者は以下のように説明している。

ナッツの中でも、特にクルミはオメガ3脂肪酸を含んでいます。オメガ3脂肪酸は、不飽和脂肪酸の中でも特に健康に良いと言われています。すなわち、ナッツは質の良い脂質源であり、この点に関しては異論の余地がないところです。
一方、脂質はかなりのカロリーとなります。同じ1グラムでも、たんぱく質や炭水化物が4キロカロリーなのに対し脂質は9キロカロリーです。同じ量だけ食べるとカロリー摂取が多くなってしまいます。(64ページより)

ナッツが「健康にいいけど太る」といわれるのは、こうした理由があるためだ。事実、「ナッツばかり食べていたら太った」という声もあるらしい。

だが仮にナッツで満腹になったとしたら、他の食べ物の摂取量は減ることが期待されるはず。だとすれば太ることはないとも考えられるわけで、この問題についてはかなり多くの研究(30以上のランダム化試験)が行われているようだ。ランダム化試験とは、「ナッツを食べる vs. 食べない」をランダムに割り振り、体重などの短期的な変化を比較するものだという。

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