健康になりたい人は「〇〇を摂れば健康になれる」「△△を摂るのは危険」という記事から距離を置いたほうよい理由

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なお著者は、“「卵は1日1個まで」が信じられない理由”を2つ挙げている。

1つ目は、その「卵の消費量」がどれほど信頼できるものかという視点だ。たしかに、ある一時点の「卵の消費量」と「その後20年の心血管病リスク」を比較検討した研究も存在するに違いない。だが卵の消費量は“変わって当然”なものであり、数年を経て変わったとしてもまったく不思議はない。

この変化を加味しなければ、卵と病気発症の因果関係なんて言及できるはずもありません。しかし残念ながら、世界には「同じ個人の卵の消費量」をしっかり数年おきに追跡したデータというものは、あまりないのです。(69ページより)

2つ目は、「卵を食べる代わりになにを食べるのか」は人によってまったく違うという点。これまた当然の話で、卵の代わりに魚などから良質なたんぱく質を摂れば健康によさそうだし、逆にソーセージなどの加工肉を食べすぎれば健康を害しそうだ。

それどころか、卵をたんぱく質と見なすか脂質源と見なすかによっても話は変わってくる。だが、そこまで追求して調べた研究はほとんどないようだ。

この「代わりに何を食べるか」という視点抜きに「卵を何個食べたか」を議論しても、健康効果に関して具体的に言えることはありません。(70ページより)

これらの点はむしろ、これからの食事の科学が対象としていくべきトピックであり、現時点では「卵が健康にいいのか悪いのか」「悪いとすれば、いくつまで食べても大丈夫なのか」などについて信頼性の高い知見は得られていないというのだ。

そのため、「卵はすごく健康にいい食材だと断定はできないまでも、がんばって制限するほどの根拠には乏しい」という程度の理解でいいようだ。

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