健康になりたい人は「〇〇を摂れば健康になれる」「△△を摂るのは危険」という記事から距離を置いたほうよい理由

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その結果、「ナッツを食べることによる体重増加はない」ことが示されているそうだ。つまり「ナッツを食べると太る」と断定できないわけだが、要するに程度の問題なのではないだろうか。なんにせよ過剰摂取すれば体重の増加や体調不良など、なんらかの変化がもたらされたとしても無理はないのだから。

著者も「平均的にナッツを食べることで体重が増えるとはいえないが、食べる人の特性や食べる状況により異なる」と述べているが、この「食べる人の特性や食べる状況」という部分に過食があてはまるということなのだろう。

また、仮にナッツで体重が増えたとしても、「それは健康に悪いことなのか」という視点から考える必要もある。事実、ナッツの摂取量が多いと心血管病やがんのリスクが(平均的に)低いことも示されている。これもまた、私たち素人にも伝わってくる話だ。

おそらくナッツが生活習慣病のリスクを下げることは、ある程度確からしく言えるかと考えます。よって、ナッツをおやつとしてお菓子などの代わりとして食べることは、健康に良いという科学的裏付けがあると言えるでしょう。(66ページより)

もちろん個人差もあるだろうし、著者が「かもしれません」というような表現を意識的に用いていることも見逃すべきではない。ナッツで健康効果を得られる人がいるにせよ、科学的にはっきりとわかっているわけではないことも事実だからだ。

むしろ「ナッツだけ」というように単一の食材に固執することなく、全体的にバランスのとれた食習慣を目指すことが大切なのではないか。

「卵は1日1個まで」には科学的根拠なし

冒頭で昼食にゆで卵を3個食べていることを明かしたが、ご存じのとおり卵についても諸説が存在する。たとえば子どものころに親から「卵は1日1個まで」といわれて育った人も少なくないだろうが(私を含む)、その一方には筋トレ好きなど「いくら食べてもよい」とする人もいる。

つまりこの点に関しても、「〇〇は1日△△まで」というように詳細な食事の科学的知見を“確証高く”得ることは難しいわけだ。そもそも「卵を食べたほうがいいのか悪いのか」すら、きちんとした検証を行うことは簡単ではなさそうだ。

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