グループ銀行があれば、決済ツールのチャージ用あるいは引き落とし用に、利用者は毎月一定額の資金を入れてくれる。その口座がメイン口座に昇格すれば、公共料金や通信費、保険料等の固定費引き落とし分をカバーすることができる。いずれは住宅ローンの成約にも結び付くかもしれない。
個人の資産形成にもメイン口座化は欠かせない。給与が振り込まれるようになれば、積み立て定期や、グループ証券会社と連携してNISA積立、またはクレカによる積立、株式や外貨購入などにもスムーズにつながる。その武器となる証券口座連携預金が、先に書いた「SBIハイブリッド預金」や「SBIハイパー預金」だ。
ポイント経済圏にとって最も大事なのは、スマホ決済のアカウントやクレジットカード利用者を増やすことではなく、利用者のお金の流れをグループ内に封じ込めることだ。収入も支払いも資産形成も、すべて我が経済圏の中で完結するエコシステム、その確立のキモが銀行であり、その存在感はますます強まっていくだろう。
d NEOBANKならではの戦略は
話を戻して、新しい“ドコモ銀行”のメリットを確認しておこう。
むろん、一番の武器はdポイントだ。まずは口座開設キャンペーン。12月31日までに口座を開設し(先着15万名)、普通預金10万円以上、そしてドコモ関連サービスの引落実績(dカード、ahamo回線含むドコモの回線料金、ドコモ光、ドコモでんき、ドコモガス)が確認できれば、1万ポイントがもらえる。
さらに10万円以上の給与・賞与受取口座に指定し、dカード(GOLD/GOLD U/PLATINUM)の新規入会あるいはアップグレード、通信プランをドコモMAX/ドコモポイ活MAXの新規契約あるいは料金プラン変更で、さらに5000ポイントがもらえる(※別途、ドコモサービスの加入期間等の定めあり)。
新規口座開設と入金だけならハードルは低いが、ドコモ関連サービスが絡んでくるとちょっと面倒だという印象が拭えない。実質ドコモユーザーにしかメリットがないように見える。
そのほか、住宅ローンの借り入れでも1000ポイントがもらえる(フラット35の借り換えは対象外)。さらに対象期間中に2500万円以上の借り入れとドコモ対象サービスの契約で最大30万ポイントをプレゼントというが、30万ポイントは1億5000万円以上のローン借り入れが必要なので、まあ庶民には無縁な話だろう。なお、これらのキャンペーンで付与されるdポイントは期間・用途限定ポイントとなる。
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