「高市トレード」巻き戻しできょうの株価は急落へ、債券と円も波乱含み

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国債市場は、公明党の連立離脱による政権不安や財政懸念と、米中摩擦の再燃を背景としたリスク回避の動きという相反する要因に挟まれている。

ロンバード・オディエ・シンガポールのシニアマクロストラテジスト、ホミン・リー氏は、米中間の緊張再燃による世界的なリスク回避の動きは、日本の国債市場に一定のプラス効果をもたらす可能性があると述べた。ただ新たな連立体制を構築するため、より拡張的な予算編成が行われる可能性が高く、「財政不透明感が高まる現状では、日本国債が他市場を上回るパフォーマンスを示すのは難しい」と話した。夜間取引で国債先物は上昇している。

14日の債券相場は、すでに数十年ぶりの高水準にある利回りに直面する中で、市場の耐性が試される展開となりそうだ。15日に予定される20年債入札では、最近の不調な結果を受けて、需要の強さに一段と注目が集まる。

市場では、政治の流動化を背景に長期金利が上昇しやすいとの見方も出ている。ウェルズ・ファーゴのアジア太平洋(APAC)チーフストラテジスト、チドゥ・ナラヤナン氏は、公明党の離脱により「より大規模な財政拡張が実施される可能性が高まる」と話し、市場の織り込み以上の財政刺激策への懸念は長期金利の急上昇とベアスティープニング(長期金利の上昇幅が短期金利よりも大きくなる状況)を招く恐れがあると指摘する。

日本銀行の利上げ見通しについては、政治的不透明感の高まりから10月の会合では利上げを見送り、状況の明確化を待つ可能性もあるとナラヤナン氏は述べた。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、13日時点で10月利上げの確率が約17%織り込まれている。

円相場は方向感を欠いた展開に

円相場は、政治的不透明感による日銀の利上げ後ずれ観測と、対中関税懸念に伴うリスク回避の動きが交錯し、方向感を欠いた展開になりそうだ。過去半年間の流れでは円安基調が続くが、短期的には上下に振れやすい局面が予想される。

円相場は10日に対ドルで一時1%以上上昇し151円前半まで円高が進んだものの、13日には152円前半まで反落している。

ピクテの田中氏は、政策実現の不透明感が高まり、基本的には円高圧力がかかりやすいとする一方で、連立や政策協力が実現しても財政拡張的な政策を取らざるを得ない可能性が残り、「一方的に円高が進むとは想定しづらい」と話した。

著者:横山桃花、アリス・フレンチ

ブルームバーグ
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