医薬品ネット販売規制裁判の控訴審勝訴は、当然の結果だと思います--後藤玄利・ケンコーコム社長(第5回・最終回)

対面販売での情報提供がネット販売よりも優れているという判断は大変理不尽です。そもそも分類の仕方もおかしいですが、例えば二類の妊娠検査薬は、薬局やドラッグストアで販売時に使い方を説明しているでしょうか。

省令が施行されたあとでさえ、厚労省が実施した覆面調査では20%の薬局、店舗では2類の情報提供が全く実施されていないということも判明しています。何より今までネットでの医薬品販売において、副作用被害などの問題や事故もありません。当社には薬剤師もいるし、副作用だって画面で情報提供している。
 
 にもかかわらず、明確な理由のないまま医薬品の大半について販売そのものを禁止するような規制が作られてしまい、第一審ではそれを合憲と判断されたため、われわれは控訴に至ったわけです。

--この省令の影響で年間売上が5億円も落ちたそうですね。事業者の売り上げ減少もさることながら、買いたくても買えない利用者が出てしまったことが問題です。09年9月に「ケンコーコムSG」(運営:Kenko.com Singapore Pte.Ltd.)というサイトをオープンし、海外滞在邦人だけでなく日本国内の利用者も一類・二類の医薬品が購入できるようにしました。でも、これは個人輸入という形ですね。

はい。個人輸入とは、海外で販売されている商品を個人で使用することを目的に購入することです。購入した医薬品によって副作用が発生しても、国の副作用被害の救済制度による救済を受けることができない場合もあります。あくまで利用者自身の責任で商品を購入することになっています。

従来からある国内の「ケンコーコム」では、継続使用者など一定の条件で販売を認める経過措置がとられたので二類は購入ボタンをつけたままにしていましたが、この3年間、半分以上の注文を断らなければいけない状況が続きました。今でも毎日「購入したい」とのお問い合わせをいただいています。

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