ドラッグストアなどリアルのプレーヤーは、ECの厳しさを理解していない--後藤玄利・ケンコーコム社長(第4回)

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ドラッグストアなどリアルのプレーヤーは、ECの厳しさを理解していない--後藤玄利・ケンコーコム社長(第4回)

--ケンコーコムがECのヘルス&ビューティ市場でナンバーワンになるための課題は何でしょうか。

お客様は、ネットショッピングに対して「何でも欲しい」「早く欲しい」「安い価格で欲しい」と要求する。ECは「品ぞろえ」「サービス」「価格」の3つをいかに満たしていくかが、ビジネスのすべてになります。でも、それらを満たすには、相当な経営改善が必要。

特にサービスと価格のバランスをとりながら、なおかつリアルショッピングのコスト構造を上回る形で成長していくことは非常に難易度が高い。そこをクリアするのが当社の課題ですね。

ドラッグストアなどリアルのプレーヤーたちは、「ECは店舗や店員のコスト負担が少なくてうらやましい」と言いますが、リアルにはないデメリットもあるんです。たとえばECはおカネを回収する必要があり、クレジットカード払いにしたとしてもコストがかかる。

リアルのプレーヤーたちは今からECに参入しようとしていますが、甘いのではないでしょうか。彼らはホームページを立ち上げて自分たちのブランドロゴを押し出せば、ゴボウ抜きでシェアをとれると信じているようですが、そんな簡単な世界ではありません。

品ぞろえにしたって、ドラッグストアは数千商品しか扱っていませんが、当社は今17万商品扱っています。お客様はリアルより安いものをネットに期待しますが、実際には送料がかかるので生半可なことでは実現できない。ちなみにアマゾンさんが2010年11月から全商品送料無料にしましたが、このことがECに与えた影響は大きい。

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