--2011年10月決算は売上高1240億円、経常利益127億円と過去最高益を更新しました。08年度の減収減益を除けば右肩上がりの業績です。リーマンショック等厳しい経済環境が続いたと思うのですが、なぜこれだけ好業績を続けられるのですか。
駐車場は公共性が高いものなので、もともとは行政が整備するものという位置づけでした。しかし、行政は大きい仕事しかできません。たとえば、半径1キロメートルの範囲に300台分の駐車場が必要である場合、行政は範囲の中心に300台が収容できる大型地下駐車場を造ってしまいます。計算上では需要と供給が釣り合っていますが、実際には1キロメートル離れた場所に用事のある人がここに車を停めることはありませんよね。
われわれならば範囲内に10台の駐車場を30カ所造ります。行政はそういった小さい仕事ができないという事情もあり、行政による駐車場の約9割が赤字となっています。だから、警察庁をはじめ各県警や行政も駐車場不足をわかっていながら整備できなかったんですね。
そこで1970年代の終わりごろ、一般道路を緊急の駐車場にしようとパーキングメーターが出始めたわけです。今はわれわれの駐車場が増えたので道路のパーキングメーターは減りましたが、ピーク時では全国で4万5000台くらいまで増えました。
要は、需要がありながらも手つかずの市場だったんです。駐車場の市場規模は3兆5000億~5兆円といわれています。ただ、これは単純に駐車料金で換算した市場規模。しかも実は駐車場の正確な数はわかっていません。
路外駐車場には駐車場法があり、駐車スペースの合計が500平米(タイムズの駐車場スペースの基準で考えると40台)を超えると各都道府県に届け出をしなければいけないのですが、それ以下の駐車場は許可が不要なんです。業界団体もないので、当社の「タイムズ」のような24時間制無人時間貸し駐車場が全国にどれだけあるかは不明です。
つまり、実際の正確な駐車場の売り上げはわからない。そういった状況もありますし、周辺サービスや付帯サービスを加えると5兆円以上の市場と考えられます。おかげさまで増収増益が続いているのは、このようにポテンシャルの高い市場にわれわれは専業で取り組んでいるから、といえるのではないでしょうか。