
定休日なしの「週7日営業」
東京・目黒の閑静な住宅街にある喫茶店「アレッタ」。店主の栗原薫さん(90歳)が自宅の一画を改築して、1978年に開業した昭和レトロな純喫茶だ。
「コーヒーと軽食と憩いの場」として、ご近所の常連客からサラリーマン、親子連れ、高校生まで幅広い客層に愛されている。

驚くべきは、定休日なしの週7日営業。90歳を迎えた今も毎日午前9時から午後7時まで、仕入れから調理、接客、清掃まで1人で切り盛りすることが当たり前の日常になっている。
「朝から大雨の日にはさすがに臨時休業にするけれど、それ以外は休むことはないわね。『ゆっくり休んだら?』と言われることもあるけど、何もすることがない日が続くなんて地獄だわって思う」と、栗原さんは笑う。
三重県に生まれ、親戚のほとんどが商売人、姉たちも商家へと嫁いでいく環境で育った栗原さんは、23歳のときに12歳上の夫とお見合い結婚をして、東京へ。
「結婚するなら、安定した給料取りのサラリーマン」という望みが叶った結婚のはずが、夫は結婚数年後に脱サラして、鉄鋼販売卸の会社を起業する。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら