「43歳で喫茶店を開業」「乳がんで手術も1週間で復帰」 90歳の喫茶店店主が《がん罹患後も週7で店に立つ》ワケ

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アレッタ栗原さん
栗原薫さん、90歳。47年前に喫茶店を開業し、今も現役で店に立っている(写真:ヒダキトモコ撮影)
これから人は100年生きるという。しかし、お金や孤独、健康不安がなく老後を迎えられる人はどれくらいいるだろう。年を取ることが怖いーー。
多くの人が漠然とした不安を抱く中、老後の人生こそ謳歌している人もいる。その元気は、気力は、生きがいは、いったいどのようにして手に入れたのか。
本連載では、“後期高齢者”になってなお輝いている先達に、老後をサバイブするヒントを聞く。

定休日なしの「週7日営業」

東京・目黒の閑静な住宅街にある喫茶店「アレッタ」。店主の栗原薫さん(90歳)が自宅の一画を改築して、1978年に開業した昭和レトロな純喫茶だ。

「コーヒーと軽食と憩いの場」として、ご近所の常連客からサラリーマン、親子連れ、高校生まで幅広い客層に愛されている。

喫茶店アレッタ
東京・目黒区碑文谷にある喫茶店「アレッタ」(写真:ヒダキトモコ撮影)

驚くべきは、定休日なしの週7日営業。90歳を迎えた今も毎日午前9時から午後7時まで、仕入れから調理、接客、清掃まで1人で切り盛りすることが当たり前の日常になっている。

「朝から大雨の日にはさすがに臨時休業にするけれど、それ以外は休むことはないわね。『ゆっくり休んだら?』と言われることもあるけど、何もすることがない日が続くなんて地獄だわって思う」と、栗原さんは笑う。

三重県に生まれ、親戚のほとんどが商売人、姉たちも商家へと嫁いでいく環境で育った栗原さんは、23歳のときに12歳上の夫とお見合い結婚をして、東京へ。

「結婚するなら、安定した給料取りのサラリーマン」という望みが叶った結婚のはずが、夫は結婚数年後に脱サラして、鉄鋼販売卸の会社を起業する。

【写真を見る】元気すぎる90歳・栗原さんが営む、レトロな喫茶店「アレッタ」の日常(14枚)
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