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「フィリピン貧困層の学生をヒーローに」NPOの夢/10人が大阪万博を訪れ、日本の若者らと交流/フィリピン社会の実情と子供たちの輝く瞳

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  • 柴田 直治 ジャーナリスト、アジア政経社会フォーラム(APES)共同代表
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ヒンゼル・ペンドレズさん(18)は大学で心理学を学ぶ。卒業後、法学科に進んで弁護士になりたいと夢を語る。貧しさゆえに苦労する人たちを身近に見てきた。こうした人々を助ける人権弁護士になりたいという。4人きょうだいの長女。父はカフェの調理担当だが、子供を大学にやる余裕はない。

大学の看護コースに通うシーラ・ガビガスさん(20)の夢は外科医になることだ。小学生のころに医者が活躍する韓国ドラマを観て以来のあこがれだ。パソナ館で見たiPS細胞の技術、iPS心臓が実際に動く様子に感銘を受け、思いを新たにした。やはり4人きょうだいの長女で家計に余裕はない。

DAREDEMO HEROが墓場で開く教室。中央が内山順子理事長(撮影:柴田直治)

学業が優秀でも2人が夢をかなえるのは容易ではない。弁護士になるには卒業後法学科で改めて学び、司法試験に合格する必要がある。医者になるには看護学科を4年かけて卒業した後、医学をさらに4年は学び、インターンを経験して初めて医師の免許にたどり着く。いずれも遠い道のりで、何より親の給与で学費を賄うのは不可能だ。

助成金や寄付金だけではおのずと限界

DAREDEMO HEROは日本からの助成金と寄付金、里親制度、スタディーツアー参加者からの支援金などで運営資金を賄う。だが、おのずと限界はある。奨学生2人がパイロット養成学校に通うことができたのは幸運にも個別のスポンサーが現れたからだ。

医者や弁護士をめざす奨学生は複数いる。内山理事長は「何人も、というわけにはいかないが、年に1人でも夢をかなえさせるために資金を手当てしたい」と東奔西走の毎日である。

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