参加国から不満も「大阪万博」で見えた日本の問題 日本には万博を開催する余裕はすでにない

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大阪万博起工式
起工式の様子(写真:新華社/アフロ)

2025年4月に開幕する大阪万博に暗雲が立ち込めている。11月半ばにはメキシコとエストニアが撤退したと日本政府が表明したほか、万博の建設費は膨らみ続け、建設費が当初に比べて最大500億円増えることが判明。パビリオンの建設をめぐっては参加国からも不満の声が噴出し始めている。

ヨーロッパの倉庫より高い

1平方メートルあたり80万円――。これが大阪万博の「タイプX」パビリオンの現在の価格だと、あるプロジェクト関係者は言う。タイプXはパビリオン建設の業者を見つけられず、予算にも限りがある参加国へ万博主催者側が提案したものだ。建設は博覧会協会が代理で行う。

ところが、これが新たな紛争の火種となっている。1平方メートルあたり80万円というタイプXは、期間限定の建物にもかかわらず、ヨーロッパの基本的な倉庫よりも10倍も高いのだ。

ターナー&タウンゼントの建設価格表によれば、タイプXパビリオンの建設費は、リゾートホテルや高級車のショールームよりも高く、東京の総合病院の2倍もする。「主催者は参加希望国を助けるのではなく、金をむしり取ろうとしているのか?」とある万博関係者は話す。

2018年11月23日、大阪が2025年万博の開催を決めたとき、日本人は素朴にプロモーションのチャンスだと考えた。大阪万博を支援する企業は、世界的な評判が高まることを期待して熱狂的に参加した。

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