独居で透析治療中の女性(83)が認知症に。"最期まで自宅で暮らす"か、"入院する"か――話し合いを重ね彼女が導き出した「結論」とは

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今回は在宅ケアと透析について考えてみます(写真:ペイレスイメージズ 2/PIXTA)
国内で透析を受けている患者数は、2022年時点で34万人超。透析が必要となる原因疾患の第1位が、糖尿病の合併症の1つで、上昇した血糖値が腎臓の機能を低下させる病気「糖尿病性腎症」(39.5%)とされている。
これまで1000人を超える患者を在宅で看取り、「最期は家で迎えたい」という患者の希望を在宅医として叶えてきた中村明澄医師(向日葵クリニック院長)が、“在宅ケアのいま”を伝える本シリーズ。
今回のテーマは、「在宅ケアと透析」。糖尿病性腎症を患い、透析のために通院を続けるも、それが難しくなってきた一人暮らしの患者のエピソードをもとに解説する。

糖尿病で腎臓を患った女性

10年前に糖尿病と診断されたAさん(83)。糖尿病性腎症のため、5年前から人工透析を受け始めました。

Aさんは一人暮らしで、クリニックに通院しながら、透析を受けていました。しかし、2年前に認知症を患い、通院や服薬を忘れてしまうことが増えてきました。通院ができなくなってきたAさんを心配したケアマネジャーからの紹介で、筆者が在宅医として関わるようになったのです。

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