Jリーガー時代の"挫折"が導いた"雲の上"の部屋《自宅家賃7万円から65万円への軌跡》。高層マンションで作り続ける「体整える食事」

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小泉勇人さん
身長193cmの恵まれた体格。料理を紹介するときの親しみやすい語り口や無邪気な笑顔がSNSで人気だ。実際に会って話を聞くと、元アスリートならではの闘志や心身の強靭さも感じた(撮影:ヒダキトモコ)

アスリートとしての調整で、試行錯誤の末にたどり着いたのは「料理こそが自分のパフォーマンスを最も効率よく整える方法」という実感だった。

「治療やコンディショニングに外部のサービスを頼るのは、時間もお金もかかる。

当時はプロサッカー選手といっても高い報酬を得ていたわけではないので、高額の調整費は捻出できない。

でも自分で食事を管理すれば、コストも抑えられるし、体調の変化にもすぐ対応できますよね。

いろいろ実践してみて、結局自炊することが、一番効果的でコスパの良い調整方法だと気づきました」

「料理」のおかげで見つけた心地よい“拠点”

自炊を始めたのは、必要に迫られてのことだった。けれど同じころに学んだ栄養学の知識を取り入れ、SNSに発信していくうちにフォロワーが増えていった。

やがて料理本を出す話も持ち上がり、2022年シーズンを最後に小泉さんは引退を決めた。

小泉勇人さん
普段の料理動画などSNS発信もこのマンションのキッチンで行っている(撮影:ヒダキトモコ)

「正直、プロとしてまだやれると思っていました。でも料理の発信を本格化していくことで、サッカーを中途半端にしたくなかった。好きだからこそ、きっぱりやめようと思ったんです」

料理の投稿を通して気づいたのは、「食事で自分を整えたい」と思う人が想像以上に多いことだった。現役時代の部屋は理想とは言えなかったが、そこで撮った料理の写真が、彼を現在の暮らしへと導いた。今の部屋は、仕事場であり撮影の場であり、落ち着ける”拠点”でもある。

「いつも仕事のことばかり考えてしまう性格は変わらないんですが、この部屋ではそれも楽しめるんです。ふと思いついたアイデアを、すぐ形にできる。日当たりや見晴らしの良さも、仕事にいい流れを運んでくれそうで気に入っています」

小泉さんの部屋
東京の街を見下ろせる高層階のタワーマンションの一室。窓辺にはプロデュースした商品や自著がディスプレイされていた(撮影:ヒダキトモコ)
食器類
食事を目でも楽しむために、器も重視している。オリジナルの器もプロデュースした(撮影:ヒダキトモコ)
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