
アスリートとしての調整で、試行錯誤の末にたどり着いたのは「料理こそが自分のパフォーマンスを最も効率よく整える方法」という実感だった。
「治療やコンディショニングに外部のサービスを頼るのは、時間もお金もかかる。
当時はプロサッカー選手といっても高い報酬を得ていたわけではないので、高額の調整費は捻出できない。
でも自分で食事を管理すれば、コストも抑えられるし、体調の変化にもすぐ対応できますよね。
いろいろ実践してみて、結局自炊することが、一番効果的でコスパの良い調整方法だと気づきました」
「料理」のおかげで見つけた心地よい“拠点”
自炊を始めたのは、必要に迫られてのことだった。けれど同じころに学んだ栄養学の知識を取り入れ、SNSに発信していくうちにフォロワーが増えていった。
やがて料理本を出す話も持ち上がり、2022年シーズンを最後に小泉さんは引退を決めた。

「正直、プロとしてまだやれると思っていました。でも料理の発信を本格化していくことで、サッカーを中途半端にしたくなかった。好きだからこそ、きっぱりやめようと思ったんです」
料理の投稿を通して気づいたのは、「食事で自分を整えたい」と思う人が想像以上に多いことだった。現役時代の部屋は理想とは言えなかったが、そこで撮った料理の写真が、彼を現在の暮らしへと導いた。今の部屋は、仕事場であり撮影の場であり、落ち着ける”拠点”でもある。
「いつも仕事のことばかり考えてしまう性格は変わらないんですが、この部屋ではそれも楽しめるんです。ふと思いついたアイデアを、すぐ形にできる。日当たりや見晴らしの良さも、仕事にいい流れを運んでくれそうで気に入っています」


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