認知症リスクも減! 「血圧170はお風呂に入ってもよい?」の疑問からたどり着いた【入浴】の凄い効能

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教科書の中を探しても答えがなく、文献や論文も調べましたが明確な答えを得ることができませんでした。その後も、血圧だけでなく、「かぜを引いているのですが、お風呂に入っていいですか?」というように、「体調と入浴」についての問い合わせがたびたびありました。

これはきちんと研究して、根拠に基づいた判断ができるようにするべきだ――。こうして、私はこれまで医学研究の対象にされていなかった入浴を、本格的に研究することにしたのです。

それから約25年、7万人以上の入浴を医学的に調査して明らかになったのは、入浴は私たちの健康に、想像以上にすばらしい効果をもたらしているということです。

一例を挙げましょう。

3年後の新規要介護リスク…29%減

全国の65歳以上の自立高齢者1万3786人を3年間追跡した調査で、冬に週に7回以上湯船に浸かっていた人は、週2回以下の人と比べて、新たに要介護認定を受けるリスクが29%も低いことがわかりました。

9年後の認知症リスク…26%減

65歳以上で要介護認定を受けていない、約7500人を9年間追跡調査したところ、夏に毎日湯船に浸かる習慣がある人は、そうでない人に比べて、9年後の認知症リスクが26%も低いという結果になりました。

(出所:『入浴 それは、世界一簡単な健康習慣』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

お風呂に入る人ほど「健康寿命」が長い

脳卒中のリスク…26%減

心筋梗塞のリスク…35%減

糖尿病のコントロール…1.43倍良好になる

ほかにも、こうしたデータが得られています。日本は、世界が認める長寿大国です。一方、元気で自立して暮らせる期間(健康寿命)と、亡くなるまでの期間(平均寿命)の差が大きいことが課題でもあります。

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