自分では気付きにくい!?ハラスメント"加害者"になりやすい上司に共通する「3つの行動パターン」

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ケース1 自分の指導方法・やり方が正しいと思い込んで指導を行う上司
<相談>
私は従業員数300人ほどの人材サービス会社の営業職として1年前に転職しました。その転職先の上司のマネジメント方法に疑問があります。部下を評価するとき、行動量と労働時間の長さを重視しているようなんです。私は保育園に通う子どもがいるので、業務時間は独身社員に比べれば短くなります。でも、前職の経験を生かして提案資料を工夫したり、会社が推奨する電話ではないものの、メールでのフォロー案内を行っていて、他の社員と比べても受注率は決して悪くないと思います。なのに、上司は架電量や訪問量などのKPIが未達という理由で、私に細かく業務指示をしたり、微細なことにも報告を求めるようになりました。そのため業務の予定が狂い、急に残業を命じられることも増えました。残業はできないと最初から伝えているのに……。最近、社内SNSで私を揶揄する発言もあり、出勤するのが苦痛です。これはパワハラではないのでしょうか?
サトミ(30代・女性)

数字をつくれる社員が評価される

<解説>

サトミさんが転職したA社の営業部は3つのチームに分かれていて、チームで月次KPIの達成を競い合う風土があります。個人成績を上げることでチームの評価を高めるという雰囲気があり、数字をつくれる社員が評価される文化がありました。

サトミさんが配属されたチームのリーダー(課長級)であるアベさんは、いわゆるプレイングマネージャーで、営業畑一筋で目覚ましい成績を上げてきた実力者です。しかし、管理職としての研修受講や部下育成の経験は乏しく、自分がプレイヤーとして成功した手法をそのまま部下に押し付ける傾向がありました。

サトミさんも成果を出すには一定の行動量がいることは理解していて、営業行為を惜しむつもりはありません。しかし、未就学児を抱えるなか、電話をかける回数や企業訪問量という指標では周囲に劣るところがありました。

サトミさんは、次第に上司のアベさんから毎日予定を報告させられ、細かな業務指示や確認、進捗共有を求められるようになりました。

その結果、残業が必要になることが増えました。サトミさんが保育園の送迎を理由に残業を断ると、アベさんは「全員で貢献すべきなのに、足を引っ張っている人がいる」「自分の能力不足を子どものせいにしてはいけない」などと、チーム全体のグループチャットで揶揄するような発言をするようになりました。

名指しされたわけではありませんが、チーム内で子育て中の社員は自分だけです。サトミさんは次第に追い詰められていきました。

やがて、サトミさんは転職をする覚悟で人事部に状況を伝え、マネジメントの改善を求めることにしました。相談を受けた人事部が、サトミさんとアベさん双方へのヒアリングを行うと、次のような事実が確認できました。

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