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30年前は大繁盛も「現在は全国に8店舗」の《元気寿司》衰退の背景にあった"回転ずしのファミレス化"と"デフレの波"とは?

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元気寿司は1968年、『元禄寿司』のフランチャイズ店として、栃木県宇都宮市に1号店を開業した。今では当たり前となった寿司のチェーン展開化と大衆化を、先駆けて進めたのが元気寿司とされている。

回転ずしチェーンの黎明期を牽引した元気寿司は、東日本や北海道を中心に店舗展開を進める。1970~80年代はコールドチェーンが確立され始めた時期で、水産地周辺に限らず、出店網を拡げられた時代背景も後押しとなった。

その後1990年に、元禄寿司の傘下から独立して以降は、さらなる出店攻勢をかける。年間で15店前後を純増させ、1995年には大台の100店舗を突破。最盛期の1990年代後半は、120~130店舗にまで規模を拡大し、リーディングカンパニーとなった。

しかし1990年代末にかけ、業界の勢力図を大きく塗り替える動きが生まれる。それが新興ブランドによる「100円均一による大型店の誕生」だった。

回転ずしのファミレス化に対応できず

現在の回転ずしチェーンの店舗レイアウトを思い浮かべて欲しい。4人がけのテーブル席50~60卓ほどに、おひとりさま用のカウンター席が加わり、200人程度を収容できる箱が主流だろう。もちろん店舗ごとで坪数や席数に幅はあるものの、4人がけのテーブル席を潤沢に設けた大箱は、2000年前後にでき始めたとされている。

逆にそれ以前は、前出の『元気寿司 青柳店』のように、中央の調理場をコの字型のカウンターが囲うような設計が一般的だった。板前が四方の客を俯瞰して注文を捌く当時のシステムは、人時生産性が高く効率的だった一方、どうしても客層が限定されがちだった。

何人かで来店しても横一列で座る必要があり、目が届きづらいという理由から小さい子連れのファミリー層にも敬遠された。

こうした従来型による客層の幅の狭さを、一気に解消したのが大型店というわけだ。

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