74歳ヒョウ柄おばちゃんは「ガオーッ!」と吠え続ける→2900円で"安くて派手"を貫き、「着て自分を鼓舞してるねん」と笑う生き方と商売の流儀

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なにわ小町
通天閣からほど近い新今宮の商店街のなかで、ひときわ目を引く「なにわ小町」の外観(筆者撮影)
「ヒョウ柄には年齢がないよ。誰でも似合うねんから」
大阪・新今宮にあるアパレルショップ「なにわ小町」の高橋真由美さん(74歳)は、そう言って2900円のヒョウ柄Tシャツを客に勧める。この店は、ヒョウやトラの「顔」の服が約1万点並ぶ、「猛獣の聖地」として知られる存在だ。
高橋さん自身、両手を猛獣の爪のように顔の左右に掲げて「ガオーッ!」と吠えるポーズでおなじみの「ヒョウ柄のおばちゃん」として、たびたびテレビに登場している。
なぜ彼女は74歳の今も「ガオーッ!」と吠えながら、ヒョウやトラの顔の服を売り続けるのか。“失敗”をも笑い飛ばす生き方の源泉を探る。
高橋真由美さん
「ヒョウ柄のおばちゃん」として知られる、「なにわ小町」店主の高橋真由美さん(筆者撮影)
【画像を見る】なんと!ヒョウ柄の水着まで……!? 大阪のおばちゃんのトレンドをつくる「なにわ小町」の服はこんな感じ

※外部配信先では画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください。

17歳からヒョウ柄を愛した女

「なにわ小町」の代名詞とも言えるヒョウ柄。高橋さんがその魅力に取りつかれたのは17歳の頃だ。しかし、当時のヒョウ柄といえばイタリア製の高級品ばかり。「とてもやないけど手が出る値段じゃなかった」そうだ。それでも、憧れずにはいられなかった。

「海外のスターに憧れてたんやと思います。『ひまわり』でソフィア・ローレンも着てた。実はあれトラ柄やったんやけど、『大人になったらヒョウ柄着よう』と思ってました」

なぜ、そこまでヒョウ柄に惹かれたのか? 理由は、高橋さんの生い立ちにある。祖父母が料亭を営んでおり、芸者の「お姉ちゃま」の出入りがある華やかな世界に触れて育った高橋さんにとって、海外スターが身につけるヒョウ柄は、憧れの象徴だったのだ。

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