74歳ヒョウ柄おばちゃんは「ガオーッ!」と吠え続ける→2900円で"安くて派手"を貫き、「着て自分を鼓舞してるねん」と笑う生き方と商売の流儀
売れ筋は、さまざまな表情のヒョウやトラの顔がプリントされた「ニーキュー」のカットソー。これを客に勧める謳い文句が面白い。
「男女無理やり兼用ですよ。ボディは2L、私が基本ですから大きいです。小さい人はそれなりに、大きい人もそれなりに着れますので」
言葉どおり、店に置いている服のサイズは2Lが中心だ。オープン時、「もし売れへんかったら、365日24時間自分で着なあかん。だから2Lでつくろう」と決めたという。今でもその心意気は健在。だからこそ、“自分が着たいと思う服しかつくらへん”と決めている。
若い客からは「まだトラを着る歳じゃない」「大阪やから着れるけど、よそでは着られへん」などと断られることもあるそうだが、「トラ柄には年齢がないよ。ヒョウとトラは誰でも似合うねん。同じ生き物同士、似合うて当たり前。試しに一回寝間着から着てみたら。部屋着やちょい着からでもええんちゃうん」と背中を押している。
「強いで〜!」ヒョウ柄はおばちゃんの鎧
「なんで大阪のおばちゃんはヒョウ柄なんですか?」
いつも高橋さんがされる質問だ。そんなときは、「大阪のおばちゃんはね、意外と普通やねんよ」と答える。
「大阪のおばちゃんっていうのはもうおしゃべりで、とにかく気がようて、『なんでもかまへん、まかしとき』っていう、ちょっと姉御肌なとこがあって。で、ヒョウとかトラとか、とにかく派手やねん。でも本当は普通のおばちゃんで、気いもそんなに強ない。ただヒョウ柄やトラ柄を着ることによって、“強いで~!”って、自分で自分を鼓舞してるねん」
すぐに「飴ちゃんあげようか」というのも、シャイだからこそ。飴をきっかけに仲良くなろうとしているのだ。「私自身もそうや。この服を着て強がってるところがあると思うねん」としみじみ。
年商は1000万円。「店を回すにはギリギリやけど、それでええと思ってる」と笑う。阪神が優勝したときや、人通りの増えるお盆や正月は売上げが増えるが、普段はかなり少ない。万人に受け入れられる服ではないので、客層はある程度限られている。
「もともと安いからバーゲンとかもしないんですわ。でも、1年、2年経ったらだんだん売れなくなるから、どんどん新しいもん、流行りのもんも入れていかんとあかん。利益率は30、40%くらいかな。50%ほしいけど、なかなかそんなわけにはいかへん。30~35%をいったりきたりやなあ」



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら