74歳ヒョウ柄おばちゃんは「ガオーッ!」と吠え続ける→2900円で"安くて派手"を貫き、「着て自分を鼓舞してるねん」と笑う生き方と商売の流儀

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現在74歳。いつまで店を続けるかは決めていない。

「とにかく元気であればね。いつどないなるかわかりませんやん。昔自転車で山から落ちて背骨が曲がってて、60歳をすぎてこけてから調子が悪くなって、まっすぐ立たれへん。80までいうたら、そこまでがんばらなあかん。決めずに、自分ががんばっていけると思えるところまで、なんとかやっていこうとおもてるんですよ」

失敗やと思ってても「面白いやん」いう人もいる

いろんな人と話して、自分の好きなものを売って、「次はこんなんしよう、あんなんしよう」と考えるのが元気の秘訣だという。

17歳からヒョウ柄を愛し、イタリア産の高級品を買い続けた高橋さん。でも店をはじめるときに選んだのは「2900円で誰でも着れる」ヒョウ柄だった。もちろん、失敗もある。「ライオン柄がほしい」と客に言われて作ってみたが、あまり売れなかった。

「いや間違うたわーって。でも時間がたつと、それがまた面白みになって売れたりするねん。放っておいたら、勝手にお客さんがいろんなイメージをつけて買ってくれる。

失敗や思たら大変やけど、人から見たら面白いやんということもあるねんね。それも個性やなと思います。それだけいろんな人がいるっていうことや」

ライオン柄のトートバッグ
ライオン柄のトートバッグ(筆者撮影)

高橋さんは、これからもド派手なヒョウ柄を着て「強いで~!」と自分を鼓舞することだろう。100歳になっても「ガオーッ!」と吠えて、人生を楽しみ続ける。

ちなみに、トレードマークの「ガオーッ!」ポーズは、あるテレビに出演したときに「この服を着てピースではおかしいな。なんか強力なものはないやろか。せっかくこの服を着てるんやから、ガオーッて言うたらどやろ」と試しにやったものだそう。咄嗟のサービス精神から生まれたのだ。

それもまた、高橋さんの生き方を表している。

派手な見た目の奥にいるのは、世話好きで、やさしく、正直すぎる女性。

「10年先の命があるかわからへん。それやったら好きな服着て、好きなことやったらええんちゃう?」

大阪のおばちゃんは今日も“ガオーッ”と吠えながら、ヒョウ柄の鎧をまとって生きている。

後編:「心がないと人には届かへん」74歳《ヒョウ柄おばちゃん》が語る、弱さを受け止める生き方→「ママ、彼氏に逃げられたぁ」と客の恋愛相談も受ける訳
「ガオーッ!」のポーズ
高橋さんのトレードマークになっている「ガオーッ!」のポーズ(筆者撮影)
ヒョウ柄ハット
小粋に展示されていたヒョウ柄ハット(筆者撮影)
【画像を見る】なんと!ヒョウ柄の水着まで……!? 大阪のおばちゃんのトレンドをつくる「なにわ小町」の服はこんな感じ
笹間 聖子 フリーライター・編集者

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ささま・せいこ / Seiko Sasama

フリーライター、時々編集者。おもなジャンルは企業ストーリー、ビジネス、幼児教育、発酵。編集プロダクション2社を経て2019年に独立。ホテル業界誌で17年執筆を続けており、企業と経営者の取材経験多数。「プレジデント・オンライン」「ダイヤモンド・チェーンストア・オンライン」「月刊ホテレス」「FQ Kids」などで執筆。企業noteのライター、ブックライターとしても活動。大阪在住。

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