「無理しなくていいからね」上司の過度な気づかいが部下育成にマイナスでしかない理由

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

この言葉には、相手を信頼し、成功を確信する気持ちが込められている。上司自身が、部下の成功(終わり)を鮮明にイメージングできているからだ。

営業所長も同じアプローチを取るべきだった。

「この目標は君たちなら達成できる。最初は不安かもしれないが、絶対に大丈夫。必要なサポートも用意してある。君たちがこの目標を達成する姿しか、私にはイメージできない」

このような言葉なら、部下は安心して挑戦できただろう。

本人の自信を引き出す話し方

部下への話し方は、「信頼の言葉」と「不安の言葉」に分けることができる。

【不安の言葉の例】
・「大丈夫?」
・「きつくない?」
・「無理しなくていいよ」
・「ダメだったら下げようか」
【信頼の言葉の例】
・「君ならできる」
・「やってみよう」
・「困ったときは一緒に考えよう」
・「成長が楽しみだ」

同じ気遣いでも、伝わり方はまったく違う。前者は「この人は私を信用していない」というメッセージを送ってしまう。後者は「この人は私を信頼してくれている」という安心感を与える。

リーダーの役割は、部下の不安を代弁することではない。部下が自分の力を信じられるよう、背中を押すことだ。

プレッシャーを与えない話し方とは、決して甘やかすことではない。成功への具体的な道筋を示し、本人の自信を引き出す話し方に徹することだ。データで根拠を示したほうが不安がなくなる人もいれば、感情をこめてストーリーで語ったほうがいい場合もある。上司ではなく、同じような立場の人から「大丈夫」「私も達成できたんだから」と言われたほうが安心する人もいる。

過度な気遣いは、かえって部下を不安にさせてしまう。子育ても部下育成も同じだ。「たくましく育ってほしい」と願うなら、相手に合わせて不安を取り除く話し方をしよう。

横山 信弘 アタックス・セールス・アソシエイツ 代表取締役社長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

よこやま・のぶひろ / Nobuhiro Yokoyama

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。近著に『トップコンサルタントの「戦略的」勉強法』。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事