この言葉には、相手を信頼し、成功を確信する気持ちが込められている。上司自身が、部下の成功(終わり)を鮮明にイメージングできているからだ。
営業所長も同じアプローチを取るべきだった。
「この目標は君たちなら達成できる。最初は不安かもしれないが、絶対に大丈夫。必要なサポートも用意してある。君たちがこの目標を達成する姿しか、私にはイメージできない」
このような言葉なら、部下は安心して挑戦できただろう。
本人の自信を引き出す話し方
部下への話し方は、「信頼の言葉」と「不安の言葉」に分けることができる。
・「大丈夫?」
・「きつくない?」
・「無理しなくていいよ」
・「ダメだったら下げようか」
・「君ならできる」
・「やってみよう」
・「困ったときは一緒に考えよう」
・「成長が楽しみだ」
同じ気遣いでも、伝わり方はまったく違う。前者は「この人は私を信用していない」というメッセージを送ってしまう。後者は「この人は私を信頼してくれている」という安心感を与える。
リーダーの役割は、部下の不安を代弁することではない。部下が自分の力を信じられるよう、背中を押すことだ。
プレッシャーを与えない話し方とは、決して甘やかすことではない。成功への具体的な道筋を示し、本人の自信を引き出す話し方に徹することだ。データで根拠を示したほうが不安がなくなる人もいれば、感情をこめてストーリーで語ったほうがいい場合もある。上司ではなく、同じような立場の人から「大丈夫」「私も達成できたんだから」と言われたほうが安心する人もいる。
過度な気遣いは、かえって部下を不安にさせてしまう。子育ても部下育成も同じだ。「たくましく育ってほしい」と願うなら、相手に合わせて不安を取り除く話し方をしよう。
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