60代で機能が半分まで落ちる"腎臓"→じつは寿命を決める超重要な臓器だった 「100歳まで生きるための簡単ケア」 

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では、いったいどうすれば腎臓の機能を「いつも通り」にキープし続けていくことができるのでしょう。

私が考案した「腎臓リハビリ」は、患者さんの腎機能を改善させるだけでなく、他の生活習慣病を予防しつつ、運動機能や生活機能をトータル的に引き上げていくことを目的とした治療メソッドです。言わば、患者さんの腎臓の機能を「いつも通り」にキープし続けて、その方々の人生をできるだけ長く「いつも通り」に営んでもらうためのメソッドと言っていいでしょう。

腎臓リハビリは、決して難しいものではありません。運動のやり方や食事の工夫の仕方を覚えて継続して実践していただければ、セルフケアでも十分効果を上げていくことが可能です。ここでは紙幅の都合上あまりくわしく述べられませんが、運動は「1週間に150~180分のウォーキング」「ラクにできる簡単な筋トレ」を中心としていて、食事のほうは1日3食しっかり食べながら、食べ方を工夫することによって塩分や糖質、たんぱく質を適正に摂取していく方法を取り入れています。

腎臓リハビリで「生きる力」を底上げ

みなさんも腎機能の低下が少しでも気になるならば、腎臓リハビリをスタートすることをおすすめします。

繰り返しますが、この先、人生を長く健康に生きられるかどうかは、この体内浄化装置をどれだけ「いつも通り」に働かせ続けられるかにかかっているのです。何の対策もケアもしないまま体内浄化装置をみすみす弱らせてしまい、体中に汚水があふれかえるような非日常な事態を招いてしまってはいけません。

それに、腎臓リハビリを習慣づけていると、体調がよくなって疲れにくくなり、毎日活発に動けるようになっていくもの。私はこれまで多くの腎臓病の患者さんに接してきて確信しているのですが、腎臓リハビリを実践すると、腎機能が改善するのはもちろん、患者さんの「生きる力」のようなものが底上げされて、どの方も日々を明るく楽しく活動的に過ごせるようになっていくのです。

ですから、ぜひみなさんも、腎臓をケアすることによって、そんな「いつも通りの元気な日常」をキープしていくようにしてください。きっと、人間の人生、70歳、80歳、90歳、100歳と健康寿命を延ばしていくには、そういう「いつも通り」をキープしながら、1日1日、コンスタントに日々を刻んでいくことがもっとも大切なのではないでしょうか。

上月 正博 東北大学名誉教授、山形県立保健医療大学理事長・学長

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こうづき まさひろ / Masahiro Kouzuki

医学博士。日本腎臓学会功労会員、総合内科専門医、腎臓専門医、高血圧専門医、リハビリテーション科専門医。1981年、東北大学医学部卒業。東北大学大学院内部障害学分野教授、東北大学病院リハビリテーション部長、東北大学大学院障害科学専攻長、同先進統合腎臓科学教授を歴任。2022年より現職。心臓や腎臓などの内部障害のリハビリテーションを専門とする。2011~2021年日本腎臓リハビリテーション学会理事長、2020より国際腎臓リハビリテーション学会理事長。2018年には腎臓リハビリテーションの功績が認められ、心臓や腎臓の分野に貢献した科学者に贈られる世界的に名誉ある賞「ハンス・セリエメダル」、2022年には「日本腎臓財団功労賞」を受賞。

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