逆張りを突き詰め、王道にたどり着く
生田さんの言葉は鋭く胸を突き刺し、りゅう社長にとって原点に立ち返る契機となった。
以来、ブランドカラーは好みで決めた黒から、誰もが入りやすい白へ。商品も「チャーシューをのせない」という独自のこだわりを改め、満足度を優先した形にした。
さらに「魚介塩そば専門店」というショルダーネームを掲げ、お客さんに一目で伝わるわかりやすさを手に入れた。
自分のこだわりよりも「お客さんにどう伝わるか」を優先する。その姿勢の変化こそ、再起をかけた新しい「とびっこ東京」の象徴といえる。
「前はね、『とびっこ東京って何?』ってよく言われたんですよ。ラーメンなのかもわからない、やりたいことが見えないって。だから今回は明確にしたんです。“魚介塩そば専門店”と名乗れば、お客さんに一発で伝わる。それだけで入りやすさも全然違うのかなと」(りゅう社長)

浅草での挫折、鎌倉での苦戦、そして池袋での再起。すべてを経てたどり着いたのは、「逆張り」のように見えて実は「王道」でもある道だった。
お客さんにとってわかりやすい店であること。満足できる価格で、一杯を楽しめること。そこに誠実に向き合ってこそ「とびっこ東京」は本当の力を発揮すると気づいたのである。

SNSでの一発屋ではなく、地域に根ざした店づくりで「とびっこ東京」は再起をかける。
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