「わずか3坪の物件」「しかもゴミ屋敷同然」にあえて出店!人気油そば店「鈴の木」の名物店主・りゅう社長の意外と(?)深い"狙い"

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逆張りを突き詰め、王道にたどり着く

書影
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生田さんの言葉は鋭く胸を突き刺し、りゅう社長にとって原点に立ち返る契機となった。

以来、ブランドカラーは好みで決めた黒から、誰もが入りやすい白へ。商品も「チャーシューをのせない」という独自のこだわりを改め、満足度を優先した形にした。

さらに「魚介塩そば専門店」というショルダーネームを掲げ、お客さんに一目で伝わるわかりやすさを手に入れた。

自分のこだわりよりも「お客さんにどう伝わるか」を優先する。その姿勢の変化こそ、再起をかけた新しい「とびっこ東京」の象徴といえる。

「前はね、『とびっこ東京って何?』ってよく言われたんですよ。ラーメンなのかもわからない、やりたいことが見えないって。だから今回は明確にしたんです。“魚介塩そば専門店”と名乗れば、お客さんに一発で伝わる。それだけで入りやすさも全然違うのかなと」(りゅう社長)

魚介塩そば
浅草→鎌倉→池袋…短期間ながらも紆余曲折を経て、しっかりマーケティングを重ねてきた(筆者撮影)

浅草での挫折、鎌倉での苦戦、そして池袋での再起。すべてを経てたどり着いたのは、「逆張り」のように見えて実は「王道」でもある道だった。

お客さんにとってわかりやすい店であること。満足できる価格で、一杯を楽しめること。そこに誠実に向き合ってこそ「とびっこ東京」は本当の力を発揮すると気づいたのである。

りゅう社長
「とびっこ東京」は地域に根ざした店になれるのか(筆者撮影)

SNSでの一発屋ではなく、地域に根ざした店づくりで「とびっこ東京」は再起をかける。

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井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン

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いでたいちょう / Idetaicho

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」「AERAdot.」等の連載のほか、コンテスト審査員、番組・イベントMCなどで活躍中。近年はラーメンの「1000円の壁」問題や「町中華の衰退事情」、「個人店の事業承継」など、ラーメン業界をめぐる現状を精力的に取材。テレビ・ネット番組への出演は「羽鳥慎一モーニングショー」「ABEMA的ニュースショー」「熱狂マニアさん!」「5時に夢中!」など多数。東洋経済オンラインアワード2024にて「ソーシャルインパクト賞」を受賞。その他、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。著書に「できる人だけが知っている 『ここだけの話』を聞く技術」(秀和システム)がある。

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