価格は一杯680円。今やラーメンが1000円を超える時代に、あえて逆張りの価格をつけた。
もちろん安さだけで勝負しているわけではない。
1人で回せるシンプルなオペレーションを確立したことで、狭小店舗で展開を可能にし、家賃負担を極力抑えることに成功した。これならば原価率が多少高くても成り立つ。
結果、お客さんは安くて美味しくてしっかり満足でき、「またリピートしたい」となる。
観光地ではなかなか作れなかったリピーターが池袋なら作れるのだ。

「今のラーメン業界は“1000円の壁”と言われていて、トッピングをつけたら1200円とか当たり前になっています。でも僕は逆に行きたかった。みんなが高くするなら、僕は680円で行く。ブルーオーシャンです。“安いのに満足感ある”って言われたら勝ちじゃないですか」(りゅう社長)

680円という価格は池袋の周りのラーメン店に比べてあまりに安いので、お客さんは結局ライスやトッピングを追加注文する。380円の「とびっこ肉飯」も大人気だ。結果、実際の客単価は850〜900円と、一般的なラーメン店と遜色ない水準に収まっている。
「自分都合のビジネスモデル」と言われ…
今回の「とびっこ東京」の東京進出に際して大きな転機となったのは、「凪スピリッツジャパン」の社長・生田悟志さんの言葉だ。りゅう社長は2日間にわたり生田さんに同行し、朝6時からの仕事の流れを共にした。
「そこで言われたんです。『お前のやってることは、自分都合のビジネスモデルだよ』って。お客様への心がない、満足度を考えてないって。めちゃくちゃ刺さりましたね」(りゅう社長)

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