「わずか3坪の物件」「しかもゴミ屋敷同然」にあえて出店!人気油そば店「鈴の木」の名物店主・りゅう社長の意外と(?)深い"狙い"

✎ 1〜 ✎ 109 ✎ 110 ✎ 111 ✎ 112
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

価格は一杯680円。今やラーメンが1000円を超える時代に、あえて逆張りの価格をつけた。

もちろん安さだけで勝負しているわけではない。

1人で回せるシンプルなオペレーションを確立したことで、狭小店舗で展開を可能にし、家賃負担を極力抑えることに成功した。これならば原価率が多少高くても成り立つ。

結果、お客さんは安くて美味しくてしっかり満足でき、「またリピートしたい」となる。

観光地ではなかなか作れなかったリピーターが池袋なら作れるのだ。

りゅう社長
りゅう社長。ユニークなキャラクターだが、実際は非常にクレバーだったりする(筆者撮影)

「今のラーメン業界は“1000円の壁”と言われていて、トッピングをつけたら1200円とか当たり前になっています。でも僕は逆に行きたかった。みんなが高くするなら、僕は680円で行く。ブルーオーシャンです。“安いのに満足感ある”って言われたら勝ちじゃないですか」(りゅう社長)

とびっこ肉飯
「とびっこ肉飯」も人気。塩そばが安いので、多くの人が追加で注文する(筆者撮影)

680円という価格は池袋の周りのラーメン店に比べてあまりに安いので、お客さんは結局ライスやトッピングを追加注文する。380円の「とびっこ肉飯」も大人気だ。結果、実際の客単価は850〜900円と、一般的なラーメン店と遜色ない水準に収まっている。

「自分都合のビジネスモデル」と言われ…

今回の「とびっこ東京」の東京進出に際して大きな転機となったのは、「凪スピリッツジャパン」の社長・生田悟志さんの言葉だ。りゅう社長は2日間にわたり生田さんに同行し、朝6時からの仕事の流れを共にした。

「そこで言われたんです。『お前のやってることは、自分都合のビジネスモデルだよ』って。お客様への心がない、満足度を考えてないって。めちゃくちゃ刺さりましたね」(りゅう社長)

とびっこ東京
(筆者撮影)
次ページ自分のこだわりよりも優先するようになったこと
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事