年収150万円アップのはずが…「転職先で"死神"と呼ばれた男」40代コンサルが味わった衝撃の裏切り
ある朝、出社した松本さんの目に飛び込んできたのは、1通の全社員宛てメールだった。
「死神め。社長に送り込まれた疫病神」
全員が読むメールで名指しで侮辱された衝撃は大きかった。「自分は与えられた役割を果たしているだけなのに、なぜここまで敵視されるのか」。松本さんは動揺し、やがて社長に相談を持ちかけた。
ハシゴを外され、スケープゴートに
すると社長は「精神的に疲れているだろう。しばらく休め」と自宅待機を命じた。一見、配慮のように思えたが、これが後の裏切りの布石だった。
数日後、松本さんの自宅に組合員が押しかけてきた。彼らは口々にこう詰め寄った。
「社長から聞いたぞ。一連の混乱は松本が勝手に仕掛けたものだと」
にわかには信じられず、慌てて社長に電話を入れた。だが返ってきたのは予想外の冷酷な言葉だった。
「社員はもう君を信じない。君には、改革を進めろとは言ったが嫌われろと言った覚えはない。誤解を解くのは不可能だ。被害に遭う前に退職したほうがいい」
さらにこう付け加えた。
「君は尊大だと嫌われている。親会社に話を通し、退職金を上乗せするようにした。円満に辞めるのが一番だ」
すでに親会社まで話が回っている状況を前に、松本さんには抗う術がなかった。
復職しても、社内の誰も味方になってくれないだろう――そう考えた松本さんは、退職を受け入れざるを得なかった。
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