世の中には、不実で憎らしい夫がいるものですね。私は何年も愛人宅で暮らしながら、結局は妻子の元に戻り、落ち着いた家庭生活を送っている人を、何人も知っています。愛人宅で5年過ごした人や、最近では7年間も愛人と同棲して、妻子のもとに帰って来た人の話を、当事者から聞く機会がありました。前者は実はプロ野球ファンなら誰もが知っている有名人で、今日なら大スキャンダルになっていたところです。
後者の妻である忍さんは7年間、夫である守さんの母親・友子さん(私の友人です)と協力して、それはそれはあの手この手を尽くしながら、守さんの帰りを待ち続けました。守さんは、ともかく妻が大嫌いだと言い続け、死んでも妻とヨリを戻すことはないと、妻の前で言い放った人です。不倫する夫は居直って、言葉で罪のない妻を傷つけるのも平気な人間に、成り下がるようです。
ご相談者様の夫君も、これまでは不倫がバレる都度謝っていたのに、2月には逆に、別れられないと居直り、自ら離婚したいと言い出したのですね。これが彼の本心なのか幼稚な居直りなのか判断しかねますが、あなたへの言い訳に困っての、開き直り的な言葉と取れなくもありません。
あなたご自身は豊田氏(ご相談様の夫君を以下こう称します)が改心して彼女との関係が清算されれば、離婚は回避したいと考えておられるのではありませんか? あなたの「関係の清算を“お願い”してきた」ことや、「離婚はしないでくれと“頼んだ”」などのご相談文から、そのように拝察しました(これらはすべて子どものためかもしれませんが)。いずれにせよ、この時期の夫の心ない言葉を鵜呑みにして、大切な人生の転換を決めないことです。
不倫夫を責めず、夫が帰ってきやすい家庭環境を作ろう
ところで私が受けた印象では豊田氏も、何が何でも末の娘の受験が終われば離婚すると、固く決意しておられるのではないように思います。本当に妻が嫌いなら、いくら会話なしとはいえ週に2回も、妻が作った夕食を食べないと思います。性格にもよるでしょうが、妻以外の人を好きになった私の知人は、自分を責め続ける妻が沸かしたお茶も飲めず、妻が炊いたご飯など、到底食べる気がしなかったと言います。
考えようによっては豊田氏は週2回も、あなたの作るものを召し上がられ、彼が主張する期限のお嬢様の高校受験まででもまだ2年は、結婚生活の継続を決めています。彼自身、何度も謝るのがバツ悪くて幼稚に居直ったか、離婚を望まないあなたの足元を見て、ずるく振る舞っているだけかもしれません(勿論本気かもしれず、いずれにせよ許せないことですが)。
2年といえばその間の諸々の事情によっては、豊田氏が家庭に戻られる可能性は、十分にあると思います。もし離婚話を受け入れるのがあなたの本心でないならば、「夫が言う通りにさっさと離婚する」のは、正しい判断ではありません。口惜しいことですがしばらくは豊田氏の不実に目を塞ぎ、責めず、あなたには、彼が帰ってきやすい家庭を守るという方針の転換をお勧めします。
あなたの場合でしたら、週2回の食事を、思いっきり彼の健康と好みを考えたメニューにし、面白いテレビの録画を見ながらの食事タイムと割り切る作戦などは、どうでしょう。(勿論、離婚への決意がご本心であれば、話はまったく異なります。)
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