1浪で慶應義塾大学の総合政策学部に進学した井口さん。浪人して良かったことを聞くと、「失敗した経験を踏まえて、失敗しないための方法を人に伝えられること」「人生で初めて挫折経験ができたこと」、頑張れた理由を聞くと、「親への反骨心」「仲間の存在」と答えてくれました。
自分なりに社会の課題を発見し、解決し、発信する人材を求めていたSFCの校風や授業にピッタリ合った井口さんは、しっかり4年間を大学で勉強して卒業します。卒業後はNPO、ベンチャー企業で十数年勤務したのち、2017年に株式会社skipprを創業し、慶應義塾大学のSFCに特化したオンライン学習塾「小論文のトリセツ」を経営しています。
「学生時代にSFC対策のチューターをしていて、毎年小論文を500枚程度見ていたことが起業のきっかけになりました。市場環境を見た時に、大手の予備校は、その学部のためだけに指導する先生を用意したりプロモーションをしたりと費用対効果が悪いので、SFCに特化した対策をやりたがりません。でも、SFC出身だからわかるのですが、SFCと慶應の他学部の英語や小論文は出題傾向と必要な対策がかなり違います。だから、SFC対策に特化したオンライン学習塾を作ったら、ニッチだけど需要があるんじゃないかなと思いました。何より、僕自身が現役時代にこういう塾が欲しかったんです」
“凡人”が第一志望に合格するためには…
井口さんが浪人生活で一番大きかった学びは、まさに現在、予備校で指導をしている「目的志向の重要性」だと言います。
「『目的が何なのか』を設定することはとても大事です。目的・目標なしで受験勉強しても、『どこかの大学に合格するために満遍なく勉強して大学に行く』で終わります。たくさん大学を受けたらどこかしら合格する可能性は高まりますが、第一志望の対策に割く時間は相対的に減ってしまうので、第一志望に合格する可能性は低くなります。
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