
『艦これ』の画面を見せつつ熱く語るヒウさん。いまや甲種勲章17の立派な提督である(写真:筆者撮影)
日本で暮らす在留外国人は376.9万人となり(2024年末現在)、過去最高を記録した。
しかし、増え続ける「外国人の隣人」に、誤解や不安を抱いている人もまだいるのが実情だ。そこで本連載では、さまざまな事情で母国を離れ日本で生活する人に話を聞き、それぞれの暮らしの実際に迫る。
第5回は、電子部品メーカーで働くベトナム出身のヒウさんにお話を聞いた。
学生時代からの『艦これ』オタク
トラン・ノク・ヒウさん(29)はベトナムから来日してそろそろ11年になる。高校を卒業してすぐにやってきた日本で留学生として過ごし、就職活動を勝ち抜いて、いまは電子部品をつくるメーカーに勤めて東南アジアへの輸出を手がける優秀な会社員なのだが、プライベートでは「提督」である。ゲーム『艦隊これくしょん』(艦これ)のヘビーユーザーなのだ。
2013年からサービスが始まったこのゲーム、現在では460万人ものプレイヤーがいるといわれるが、実はベトナムでも(日本語版しかないにも関わらず)多くのコミュニティがあるほどの人気を持つ。旧日本海軍の「大和」や「武蔵」といった実在の艦船を擬人化したキャラクターを育てていくゲームだが、ヒウさんが友人から誘われて「提督」(ゲーム内でプレイヤーはそう呼ばれる)になったのは2015年のこと。
「その頃はAPU(立命館アジア太平洋大学)の2年生だったんですが、まだ日本語があまりわからなくて。でもこのゲームのおかげで、日本語能力が上がったかなと思います」
本連載では、さまざまな事情で母国を離れ日本で生活する方を対象に、取材にご協力いただける方を募集しています。ご協力いただける方はこちらのフォームからご応募ください。
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