「断熱材に隙間…」「なぜ、わが家は暑いの…?」 猛烈な残暑《涼しい家と暑い家》の差、熱中症搬送の約4割が"住居"

気象庁によれば、9月も残暑が長引き、本格的な秋はなかなか到来しないという予報になっている。東京都では6〜8月における熱中症による救急搬送者が8000人を超え、過去最多を更新。
消防庁によると、熱中症の発生場所は「住居」が最も多く、実に約4割を占めている。コロナ禍を経て、自宅で過ごす時間も増えた今、改めて自宅での熱中症対策を徹底したいところだが、冷房を適切に用いたうえで、「涼しい家」は「暑い家」と何が違うのだろうか。3つの要因を紐解く。来夏に向けて秋~春の間にできる対策を打っておくのもいいかもしれない。
最も大きい「涼しい家」と「暑い家」の差
「涼しい家」と「暑い家」の違いとして最も大きいのは「設計仕様」だ。家そのものに温度を下げる効能はないことから、いかに外の暑い空気を家の中に入れず、室内を快適な温度に保てるかどうかが重要になってくる。
このカギを握るのは、室内と屋外の境界となる外皮(屋根、壁、床など)を覆う断熱材と開口部(窓、サッシなど)の性能だ。

2000年以降に建築され、住宅性能評価を取得している住宅については「断熱等性能等級」という指標で家の断熱性能を測ることができる。
2025年4月にはすべての新築住宅に省エネ基準である「断熱等性能等級4」以上が義務付けられたが、この水準ではまだ断熱性が十分とはいえず、2030年までに「断熱等性能等級5」が最低ラインになることが決まっている。
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