「断熱材に隙間…」「なぜ、わが家は暑いの…?」 猛烈な残暑《涼しい家と暑い家》の差、熱中症搬送の約4割が"住居"

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そもそも、現行の省エネ基準は2025年4月の適合義務化のために新たに創設されたものではなく、2014年に制定された基準である。さらに遡れば、1999年に制定された「次世代省エネ基準」と、計算方法は違えど性能的には同じ。

つまり、現在義務化されている省エネ基準は25年前と同じ基準ということになる。これから新築・リフォームを検討しているのであれば、断熱性能等級5は必須であり、それ以上の性能にすることも検討してもらいたい。

断熱性能はリフォームで向上させることもできる

既存住宅のうち省エネ基準に適合している住宅は、2019年時点でわずか1割強。約3割の住宅は無断熱といわれているが、断熱性能はリフォームで向上させることもできる。

現在、国をあげて住まいの断熱性能向上を推進していることもあって、断熱材の充填や高断熱窓への改修、既存の窓の内側に内窓を付けるリフォームなどに対して手厚い補助金が出る。たとえば「先進的窓リノベ2025事業」では、1戸当たり最大200万円の助成が受けられる。

また、自ら断熱材を充填することは難しいものの、ホームセンターの断熱グッズも近年は充実しており、一定程度はDIYによって断熱性能を高めることも可能だ。

国土交通省資料
(出所:国土交通省)
要因2. 施工品質

盲点になりやすいのが、建物の「施工品質」だ。設計上は断熱性能が高かったとしても、その性能を発揮できる施工が伴っていなければ「涼しい家」にはならない。2024年に弊社が実施した”新築工事中”ホームインスペクションでは、実に60.5%の住宅で断熱施工における何らかの不備・不具合が見つかっている。

(画像:さくら事務所)
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