「私が出社して社員の方々に質問をしたりすることで、みなさんの仕事の手を止めてしまうことを心苦しく感じていました。しかも、新規のシステム導入なんて社員にとっては完全にプラスアルファの業務です。質問したい点が出てきたらメールや社内チャットで投げかけておいて、お手すきの折に返信をもらうやり方のほうが、互いに負担にならないのではないかと思いました」(松浦さん)
「在宅」への働き方のシフトチェンジは、HDEの事業内容によるところも大きい。そもそもクラウドセキュリティツールを開発する会社なので、扱う商品自体がリモートワークを推進している。社内にも、対面の会議より、社内SNSによるコミュニケーションや意思決定を促進している風潮があった。高橋部長は言う。
チャットでも隣の席にいる感覚
「私たちのメインのコミュニケーションツールは社内SNSによるチャットです。オンラインでも会議室にいる感覚、隣の席にいる感覚で会話をしています」
松浦さんにとっては、仕事上でチャットを使うのは初めてのこと。当初はもちろん不安があったという。
「でもSNS自体はプライベートでは使っているのですぐに慣れました」
ただし、ビジネスシーンで使うチャットはプライベートで使うそれとは異なる。松浦さんは特に、短文で簡潔に相手に意図が伝わるような文章の書き方をかなり意識しているという。高橋部長も相手のレスポンスに時間がかかっているときは、咀嚼できていないか、返答の仕方に困っていると考えるようにしている。そういう場合は、さらにかみ砕いた表現で重ねてメッセージを送ることもあるという。こうした日々の心がけが”リモートコミュニケーション”を円滑に行うポイントのようだ。
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