“リアルコミュニケーション”にこだわると、互いの時間と場所を合わせる必要がある。しかし、今やいつでもどこでも仕事ができる環境は整っている。「私は寝る前の30分くらいに軽くメールチェックをして、気になることがあれば松浦さんにチャットで連絡しておく。そうすると翌朝、私が起きて歯磨きをしているときに彼女のほうからレスポンスが入るという具合です」(高橋部長)。働く時間や場所に差があっても、ツールをうまく使って補えば、迅速な業務遂行を実現できるというわけだ。
時短勤務の男性営業職も
業務委託スタッフである松浦さんが、完全フル在宅という新たな働き方を切り拓いたことで、HDEでは社員の働き方についても幅が広がりつつあるという。いま社内には、時短勤務の男性営業職もいる。家庭の事情で子育てを一人で担うことになり、なかなか残業ができないのだという。
「非常に優秀な人材でぜひとも採用したかった。だから私たちも固定概念を捨て、‟時短”という条件を提示しました。本人も驚いていましたよ」と高橋部長。表に立って顧客対応を行う営業職ではなく、営業活動を社内から支える役割を与えることで、本人の可能な時間内で能力発揮できる仕組みを作った。現在HDEでは、より柔軟性を持たせる形で人事制度や就労規則の見直しを進めているという。
育児や介護などにより、働く時間や場所に制約を抱えた人材は、今後ますます増えるだろう。「パフォーマンスを出せるスキルと経験を持っている人が、制約があるがゆえに能力を発揮できないのは本当にもったいない。働き方の形を自分たちから変えていくことで、新たな潮流を生んでいきたい」と高橋部長は語る。こうした企業は着実に増えつつある。
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