腸内マイクロバイオームは消化、栄養吸収、エネルギーバランスに影響を与える数兆もの微生物から構成されています。
ワシントン大学のジェフリー・ゴードン博士による画期的な研究では、マイクロバイオームが肥満に与える影響が実証されました。ある研究で、健康でやせたマウスの糞便を、肥満で糖尿病のマウスに移植しました。
驚くべきことに、その肥満のマウスは数週間で体重が減少し、代謝の健康が改善されました。この結果は、腸内細菌が肥満に大きな影響を与えることを示しています。
これらの研究は、食事、プロバイオティクス、糞便移植を通じて腸内マイクロバイオームを変えることが、肥満や代謝障害の治療に有望な戦略となり得ることを示唆しています。
即効性の減量は持続しない
減量産業は数十億ドル規模の市場であり、何百万人もの人々が即効性のあるソリューションに多額の費用を費やしていますが、その多くは持続的な結果をもたらすことができません。
こうしたソリューションには、流行のダイエット、減量サプリメント、手術など身体に負担をかける侵襲的治療法などが含まれます。
マーケットデータ・エンタープライズ(Marketdata Enterprises)の報告書によると、2019年のアメリカにおける減量市場の価値は720億ドル(出版時:日本円で10兆円超え)にのぼると推定されています。
これほど莫大な費用が費やされているにもかかわらず、肥満率は上昇を続けており、多くの従来の減量方法が効果的でないことを示しています。
多くの即効性のあるソリューションは、一時的な減量をもたらしますが、その後リバウンドによる体重増加につながります。このようなダイエットの繰り返しは、代謝の低下、筋肉量の減少、脂肪蓄積の増加につながる可能性があります。
研究によると、厳しい食事制限によって急激に減量した人は、1年以内に元の体重に戻ることが多く、その多くは以前よりも重くなるとされています。
オゼンピック(セマグルチド)やトルリシティ(デュラグルチド)などの薬は、減量効果があるとして人気が高まっています。これらの薬はGLP-1受容体作動薬で、血糖値の調節や食欲の抑制を助けます。
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