テレビ放送がない…Netflixの「WBC独占配信」は日本プロ野球のビジネスモデルを変えるかもしれない

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同様にNPBとも放映権契約を結ぼうとしたが、NPBは機構側にその権限がなくDAZNは各球団と個別に契約を結んだ。しかし広島が地元ローカル局に気兼ねをして契約を結ばなかったためにDAZNは全12球団のパッケージを作ることができなかった。番組の商品価値は半減、放映権契約そのものもJリーグの数分の1にとどまった。

NPBの放映権ビジネスの最大のネックはここにあった。今回のWBCの放映権争いには、DAZNも応札したのではないかと言われているが、Netflixが競り勝ったようだ。

Netflixという「黒船」

Netflixはこの勢いで、NPBの公式戦の放映権獲得に、乗り出すのではないか。DAZNの轍を踏むことなくパッケージでの包括的な契約を目指すのかもしれない。

パ・リーグにはパ・リーグマーケティングという6球団が共同で設立したマーケティング会社がある。セ・リーグも広告代理店などが間に入るかもしれない。

NetflixがNPBと包括的な契約を結べば、これまでの年間契約額とは桁違いの契約になるだろう。これがNPBとMLBの「経済格差」を埋めるきっかけになる可能性もある。

そうなれば日本の地上波テレビは、WBCだけでなくNPBのテレビ放送からも撤退することになる。

Netflixという「黒船」が日本のスポーツシーンを変える可能性があるのではないか。

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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