テレビ放送がない…Netflixの「WBC独占配信」は日本プロ野球のビジネスモデルを変えるかもしれない

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注目すべきは、この大会からMLB側もマイク・トラウトをはじめ、スター選手がアメリカやドミニカ共和国などの代表として参戦したことだ。

これまでアメリカでは決勝ラウンドでも空席が目立ったが、23年のローンデポ・パークでの準々決勝以降の5試合は超満員になった。アメリカでの注目度も格段に上がったのだ。

侍ジャパンの試合中継の視聴率は40%を超えた。日本国内での人気はこれまでになく高まったうえに、アメリカでも注目度が高まったのだ。

NetflixがWBCに目をつけた背景は?

もう一つ言えば、今年3月に東京で行われた「MLB東京シリーズ2025」のかつてない盛り上がりがある。カブス対ドジャースの開幕2戦と、巨人、阪神とのプレシーズンマッチ4戦のチケットは完売。ローソンチケット(ローチケ)は、自社の「エルアンコールカード」への加入者を対象にチケットの先行抽選販売を行ったが、カード加入者は大幅に増加したと言われている。

Netflixは、MLBやWBCを巡る日本市場のかつてない沸騰と、アメリカでのWBCへの注目度の高まりを背景に、放映権の獲得に乗り出したのだろう。日本でのNetflixの加入者は24年上半期に1000万人を突破、今回のWBC放映権の獲得によって、一挙に加入者を増やそうという意図が明確に見て取れる。

少し大きな視点で見れば、今回のWBC放映権を巡る問題は、NPBのメディア体制を大きく変える可能性がある。

2023年オフに大谷翔平がドジャースと10年総額7億ドル(約1015億円)の契約を結んだことが話題になった。実際の支払いはかなり複雑だが、1年にならすと100億円になる。一方で、NPBの最高年俸は巨人マルティネスの12億円、日本人では村上宗隆の6億円とされる。10倍以上もの差がついている。

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