テレビ放送がない…Netflixの「WBC独占配信」は日本プロ野球のビジネスモデルを変えるかもしれない

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これに対して、世界第2のプロ野球リーグであるNPBは、オリンピックにもスター選手を派遣するなど世界大会に積極的だった。

WBCIは、盛り上がりが見込めそうにないアメリカではなく、日本でのビジネスの広がりに期待した。

2006年の第1回大会が開催されるまで

しかし、日本側はMLBの一方的な開催通告と、興行権、放映権、ライセンスなどすべてのビジネスをWBCIが取り仕切るというスキームに反発して参加を保留した。また日本プロ野球選手会も、開催時期(シーズン開幕直前の3月)の問題から参加に反対し、2005年7月22日の選手会総会で不参加を決議した。古田敦也会長率いるプロ野球選手会は前年の「球界再編」騒動でストライキを断行。実行力のある労組だった。

しかしMLB側は、WBCの開催ができなくなれば、日本側に経済的補償を求めると通告し、日本側は折れて最終的に開催に同意した。

こうした経緯があったこともありWBCIは日本での興行権、放映権を読売新聞社に託することとなった。読売新聞社は1934年以来、MLB球団を招請した「日米野球」の実績があった。WBCの日本での試合(東京ラウンド)も読売新聞傘下の巨人の本拠地である東京ドームで行うことになった。

2006年の第1回大会では、読売新聞社は東京ラウンドの地上波テレビ放映権を、日本テレビ、テレビ朝日、TBSに付与した。さらにBS、CSの有料メディアJスポーツは、日本戦だけでなく東京ラウンドの全試合を放映することとなった。

2009年以降は日本テレビが撤退し、地上波はテレビ朝日とTBS、BS、CSはJスポーツという体制が確立された。

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